1994 Fiscal Year Annual Research Report
フィブリン重合および内因性線溶機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06671216
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田邉 元 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60207157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
山角 健介 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260749)
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Keywords | フィブリノゲン / フィブリン重合 / フィブリノペプチドB |
Research Abstract |
本年度はフィブリノペプチドB(FPB)放出後に露呈されるフィブリン重合反応基に関する検討を行なった。 方法として、FPB放出後にそのアミノ基末端に露呈される グリミン-ヒスチジン-アルギニン-プロリン(Gly-His-Arg-Pro)ペプチド断端と重合反応基を有し、プラスミン分解産物であるD分画との結合実験をいろいろな条件下で行なった。特に カルシウムイオン(Ca^<2+>)および温度効果を中心に検討し、次のような結論を得た。 1)温室(22℃)ではその結合におけるCa^<2+>の最大効果は0.5mMで認められた。 2)4℃ではCa^<2+>の最大効果は0.05mMであった。 3)同じ2価イオンであるマグネシウムイオン(Mg^<2+>)ではその結合能に影響を与えなかった。 従来、FPB放出後に露呈される重合反応基とD分画内に存在する相補的結合部位との結合能はCa^<2+>存在下でμpされることが、報告されている。我々の結果も同様であった。しかし、Ca^<2+>の最大効果濃度は生理的濃度である2.5mMよりはるかに低濃度であり、まだ、室温で0.1mM〜5mMaCa^<2+>濃度では再びその結合能が抑制されることより、FPB放出後に露呈される重合反応基に対する相補的結合部位はCa^<++>結合部位の近傍あるいは、重合反応基とCa^<++>は相補的結合部位においてside chainを共有していることが示唆される。
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