1995 Fiscal Year Annual Research Report
フィブリン重合および内因性線溶機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06671216
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田邊 元 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 助手 (60207157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
山角 健介 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 助手 (40260749)
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Keywords | フィブリノゲン / フィブリン / フィブリン重合 |
Research Abstract |
後天性フィブリノゲン(Fbg)異常症を見い出すために肝細胞癌,肝転移症例より血漿を分離し,抗原法およびトロンビン時間法を用いて各々のFbg値を測定した。抗原法とトロンビン時間法による測定で,肝細胞癌18例中7例に,肝転移9例中1例にFbg値の解離がみられた。Fbgは糖蛋白質でシアル酸を含有し,そのシアル酸含有量がトロンビン時間法でのFbg低値を示す可能性がある。そこでFbg値の解離を示した症例で,血清および血漿のシアル酸を測定したが,血清・血漿間に解離は認められなかった。現在,肝細胞癌症例の血漿よりFbgを精製中であり,精製Fbgにて上記と同様の検討を行なう予定である。トロンビンによって切断され,フィブリノペプチドB放出後に露呈される重合反応基の相補的結合部位はBβ鎖に存在すると推定されている。この相補的結合部位にシアル酸を含む糖鎖が関係するために、トロンビン時間法でのFbg低値の原因である可能性が高い。 一方,Fbg,プラスミン分解産物であるD分画,およびE分画の分離・精製は順調に行なわれ,結晶解析・作成に着手可能となった。
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