1994 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ肝移植における肝神経切断とその病態に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06671224
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 光史 北里大学, 医学部, 助教授 (40118815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
吉田 宗紀 北里大学, 医学部, 講師 (50201017)
高橋 毅 北里大学, 医学部, 講師 (70245405)
松沢 克典 北里大学, 医学部, 助手 (70209534)
古田 一徳 北里大学, 医学部, 助手 (40209177)
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Keywords | 肝神経切断 / 肝移植 / 肝血流量 / 酸素飽和度 |
Research Abstract |
【方法】雑種成犬をペントバルビタールで麻酔し気管内挿管し呼吸管理を行った。開腹後、門脈ならびに肝動脈に超音波トランジットタイム血流計を、肝表面にレーザードップラー血流計を装着して肝門部と肝組織の血流を測定した。肝神経切断の方法としては、肝十二指腸靭帯の剥離を行い、さらに、肝周囲の組織をすべて剥離し、肝が脈管だけで支持されるようにした。このうえで、以下の項目について、経時的(開腹前、除神経直後、除神経後30、60、90、120分後)に測定を行い、その変化をみた。全身血行動態として、平均動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧、心拍出量を測定した。肝血流として、超音波トランジットタイム血流計で門脈、および肝動脈血流量を、またレーザードップラーを用いて肝組織血流量を測定するとともに、ICG(15分値)による検討を行った。さらに混合静脈血、門脈血および肝静脈血中の酸素飽和度を測定した。 【結果】1)全身血行動態:平均動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧に有意な変動はみられなかった。心拍出量は除神経術後に有意に減少した。2)肺血流量の変化:門脈血流量と心拍出量との比率を経時的にみると除神経直後に術前値よりも約1.6倍の増加がみられたが以後は漸減した。肝動脈血流量と心拍出量との比率は除神経後120分まで上昇し約3.2倍増加した。肝組織血流量は一過性に減少する傾向がみられたが有意な差ではなかった。3)酸素飽和度の変化:混合静脈血、門脈血および肝静脈血中の酸素飽和度には有意な変動はみられなかった。4)ICG(15分値)の変化については除神経前と除神経120分後では一定の傾向は認められなかった。
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