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1994 Fiscal Year Annual Research Report

SCIDマウスを用いた新しい治療実験系開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 06671226
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

熊井 浩一郎  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30101984)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保田 哲朗  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00118944)
KeywordsSCIDマウス / ヒトIgG / ヒト癌転移モデル
Research Abstract

脾摘の行われた進行胃癌患者から採取した脾組織をSCIDマウスに移植した結果、移植組織量依存性をもって血漿中に1,000μg/ml以上の高濃度のヒトIgG産生が認められ、移植8週以上維持された。外因性のヒトIgGの半減期は10日程度であることから、これらIgGが移植されたヒト脾細胞由来であることが明らかとなった。
ヒト脾細胞を移植したSCIDマウスの皮下にヒト大腸癌細胞株COLO-205をチャレンジ移植すると、2週後よりCOLO-205に反応するヒトIgGが産生された。その濃度は、非担癌の場合に比較し64倍、脾細胞を供給した患者の血性と比較しても8倍と高かった。SCIDマウス生体内でヒト脾細胞のヒト癌に対する免疫応答が保持されている可能性が示唆された。
SCIDマウスにヒト胃癌・大腸癌を同所的に移植する方法により、ヒト癌のリンパ節、肝、肺などへの自然転移が認められた。この転移モデルを用いた実験的化学療法のpilot trialにて、5-FUが移植局所では一定の治療効果を示したのに対し、転移については効果が抑制される場合と増強される場合があり、SCIDマウスにおけるヒト癌転移の実験系では、従来の実験系では認められなかった宿主免疫能と治療の関係の重要性が見いだされる可能性が示唆された。さらに、proliferating cell nuclear antigenを用いた解析にて、転移巣における細胞増殖率が移植局所より高いことが示された。
ヒト癌の転移モデルの確立は、転移能を有するヒト癌細胞の生物学的特性を究明するうえで重要であると考えられる。

URL: 

Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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