1994 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子産物を標的としたヒト型モノクローナル抗体による癌免疫療法
Project/Area Number |
06671229
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
徳田 裕 東海大学, 医学部, 講師 (20163975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 和男 東海大学, 医学部, 講師 (00119679)
上山 義人 東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
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Keywords | 癌遺伝子 / ヒト型モノクローナル抗体 / 癌免疫療法 |
Research Abstract |
本研究は,ヒトc-erbB-2癌遺伝子産物のextracellular domainを認識するマウスモノクローナル抗体(mAb)のantigen-binding sequenceをヒトIgG1のvariable-region frameworkに組み込むことにより作製したヒト型mAbを用いたヒトc-erbB-2癌遺伝子産物を標的とした癌免疫療法の臨床応用を目指したin vitroおよびin vivoでの基礎検討を行うことを目的としている.本年度は,主としてin vitroでの検討を行った. 1.c-erbB-2癌遺伝子産物に対する結合能:各種のc-erbB-2癌遺伝子産物陽性ヒト癌細胞株に対する反応性をflow cytometryにより検討した.ヒト型mAbは,マウスmAbとほぼ同程度の反応性を有していた. 2.抗体単独による癌細胞の増殖抑制作用:c-erbB-2陽性ヒト乳癌株SK-BR-3の培養液に抗体を添加し,MTT assayにより増殖抑制効果を測定した.抗体単独で有意に増殖を抑制した. 3.ヒト末梢血リンパ球をeffectorとするADCC活性:c-erbB-2陽性ヒト癌細胞株を標的とするヒト末梢血リンパ球をeffectorとする細胞障害活性は抗体の添加により有意に増強された. 以上の結果をふまえ,次年度では,SCIDマウス-ヒト腫瘍移植系を用いて,n vivoでの抗腫瘍効果を検討する.
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