1994 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌腹膜播種性転移細胞の生物学的活性度に及ぼす腹膜内温熱化学療法の影響
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06671232
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
落合 正宏 藤田保健衛生大学, 医学部・消化器外科3科, 助教授 (00051772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 俊樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50257622)
二渡 久智 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30257620)
丸上 善久 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60129666)
船曵 孝彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40084537)
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Keywords | 腹膜播種性転移 / 生物学的活性度 / 腹腔内温熱化学療法 / VX2 |
Research Abstract |
1、家兎移植可能固形腫瘍(VX2)を用いた癌性腹膜炎モデル動物の作製 検討項目:1)VX2細胞浮遊液の作製方法、2)VX2細胞浮遊液の冷凍保存方法、3)腹腔内に注入するVX2細胞浮遊液の注入細胞量、4)腹腔内への注入方法、5)注入後の再開腹温熱療法施行時期の決定 検討結果:1)MEM-Hunks液内での細切と極細網の金属メッシュ濾過操作に加え、0.25%トリプシン処理を行うことにより、良好な状態のVX2単離細胞浮遊液の作製が可能となった。(n=6)2)同一腫瘍による実験系の確立のため、VX2単離細胞に95%FCS+5%DMSO溶液を混入し、Slow-freezing Methodを用いて生存状態での冷凍保存に成功した。(n=1)3)温熱療法施行時にほぼ均一な癌性腹膜炎状態が得られることを目標に家兎16羽に対しVX2細胞浮遊液を、細胞数1×10^7個(n=3)、5×10^6個(n=3)、1×10^6個(n=10)腹腔内投与した。それぞれ1、2、3、4週間後に再開腹して、腹腔内へのVX2による腫瘍結節の播種状況を比較したところ、1×10^6個投与群で、3週間後にP_3と判定しうる結節径3〜5mmの播種性転移が成立し、しかも個体差の少ない播種による癌性腹膜炎状態を得た。 2、温熱療法至適温度の検討 家兎の本術に対する耐術能の検討として健常家兎8羽に、開腹下温熱療法を43℃、45℃で30分間行った。 43℃温熱群は4羽中3羽が生存したが、45℃温熱群は4羽全例が死亡した。 よって耐術上の温熱可能温度は43℃と判明した。 3、家兎癌性腹膜炎モデルに対する温熱療法単独での効果の検討 (方法)VX2細胞浮遊液1×10^6個腹腔内注入3週間後の癌性腹膜炎モデルに対して43℃、30分間の開腹下温熱療法を行い(n=9)、本療法施行後5日目に再開腹を行い肉眼的評価及び、BrdU染色、PCNA染色による免疫組織化学的に増殖能の評価を行った。 (結果)肉眼的評価は8羽中7羽がPD、1羽がNCで、BrdU染色による評価は細胞核内取り込みが悪く8羽全例が評価不能であった。PCNA labeling indexでは、温熱施行前のPCNA L.I.(n=4)は、63.3±8.3(Mean±SD)、施行後のPCNA L.I.(n=9)は、55.9±6.7(Mean±SD)と有意差は認めないものの、温熱療法により増殖能低下の傾向をうかがわせた.
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