1995 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器疾患に合併する胃粘膜病変発生の病態解明に関する研究
Project/Area Number |
06671237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50192315)
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Keywords | 急性胃粘膜病変 / 低酸素血症 / 慢性呼吸器疾患 / ラット |
Research Abstract |
慢性呼吸器疾患に合併する急性胃粘膜病変の病態については低酸素血症が関与していることが考えられるがそのメカニズムについては不明な点が多い.本研究ではラットに覚醒下に5%, 10%, 15%の急性低酸素負荷を行い低酸素血症を惹起させ低酸素血症と急性胃粘膜病変の関係について検討した. 1.動脈血ガス分析:対照群では拘束後もPaO_2,PaCO_2,O_2SAT,HCO_3,pH,BEには変化を認めなかった. 15%O_2, 10%O_2, 5%O_2負荷時にはこれらの順で1, 2, 3時間後と経時的に各パラメーターは悪化した. 2.潰瘍係数(UI) : 10%, 15%O_2負荷時には対照群との間に有意な差は認めなかったが, 5%O_2負荷時には経時的に潰瘍係数は増加した. 3.胃粘膜PD :同様に,5%O_2負荷時においてのみ経時的にPDは有意に低下した. 4.胃粘膜pH :対照群では拘束後胃粘膜pHの低下を認めたが,低酸素拘束群では低下は認められなかった. 5.胃粘膜ヘキソサミン量: 15%O_2負荷時には対照群とは差はみられなかったが, 10%, 5%O_2負荷時には有意に胃粘膜ヘキソサミン量は低下した. 6. TBA反応物質:低酸素拘束群および対照群のTBA反応物質は拘束前に比べ有意な高値を示したが低酸素拘束群と対照群との間には有意差は認められなかった. 7. TeprenoneのUIに及ぼす影響: 10%O_2 6時間の拘束では, Teprenone投与群のUIは非投与群に比べ有意に低値であった. 8. 各種scavengerのUIに及ぼす影響: 1. Allopurinol :同様な実験系でAllopurinol投与群でのUIは非投与群でのUIと有意な差は認められなかった. 2. SOD : SOD投与群のUIは非投与群のUIに比べ有意に低値であった. 3. Catalase : Catalase投与群のUIは非投与群のUIに比べ有意な差は認められなかった. (まとめ)低酸素拘束における急性胃粘膜病変の形成には,攻撃因子よりもむしろ防御因子の低下が重要であることが示唆された.したがって,慢性呼吸器疾患に合併する急性胃粘膜病変の治療には防御因子増強剤が有用である可能性が示された.また,各種活性酸素消去系の検討からは, TBA, Allopurinol, Catalaseでは変化がなかったことより活性酸素の関与は少ないと考えられるが, SODでUIの低下が認められるためさらに検討が必要と考えられた.
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[Publications] Yasuhiko Kamiyama: "Role of gastric mucosal cufense mechanisms in bypoxin-induced gastie mucos in lesisns in rats." Cytoprotection and Cytobiology. 10. 54-58 (1992)
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[Publications] 神山泰彦: "低酸素拘束時の胃粘膜病変発生における胃粘膜と活性酵素の関与について" Progress in nudicine. 14. 315-318 (1994)
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[Publications] 宣偉民: "閉塞性黄疸時の急性胃粘膜病変発生における活性酵素の関与" Tberapeutic Research. 15. 77-83 (1994)
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[Publications] 宣偉民: "閉塞性黄疸時の急性胃粘膜病変発生におけるグルタチオレの関与について" Ulcer Research. 21. 113-117 (1994)
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[Publications] 宣偉民: "閉塞性黄疸時の急性胃粘膜病変発生における活性酸素の関与に関する実験的検討" Cytoprotection and Biology. 11. 147-150 (1993)
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[Publications] 神山泰彦: "臓器相関:胃粘膜病変の基礎と臨床" ライフサイエンス社.土屋雅春編, 252 (1994)