1995 Fiscal Year Annual Research Report
胆道癌神経浸潤に対する抗神経細胞接着分子抗体をキャリアーとした特異的化学療法
Project/Area Number |
06671240
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 淳一 秋田大学, 医学部, 助手 (30171763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
小棚木 均 秋田大学, 医学部, 助手 (00161935)
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Keywords | 胆道癌 / 神経周囲浸潤 / 抗NCAM抗体 / 抗体制癌剤複合体 |
Research Abstract |
胆道癌における神経周囲浸潤は肝側胆管の壁内進展や切除断端の癌遺残など外科治療上重要な進展様式である。神経周囲に浸潤した癌細胞が神経細胞接着分子(Neural Cell Adhesion Molecule, NCAM)陽性であることに着目し,抗NCAM抗体に制癌剤を結合させて,術中局所投与による特異的局所化学療法を確立しようとするのが本研究の目的である。 抗NCAM抗体‐マイトマイシンC複合体を以下の方法で作成した。すなわち,ラット抗‐NCAMモノクロナール抗体(Chemicon International Inc., Temecula, CA)を50倍モルのBrCNで,pHを11に維持しながら10分間撹持し、抗体のOH基を活性化し,imidocarbonate基を誘導した。ついでpHを7.5に調整して,マイトマイシンC(協和発酵、東京)のamino基と,24時間低温暗室で撹持し、couplingさせた。反応物を透析し、抗NCAM抗体‐MMC複合体を得た。in vitroにおける複合体の活性の評価として、複合体の抗体活性は抗原が入手不能であり、NCAM陽性癌組織の免疫組織化学染色法により検討した。複合体を1,5,10倍希釈し,ABC法にて反応させ,DAB発色で抗体活性が確認された。複合体のMMC活性は神経芽細胞腫樹立株(IMR‐32)を用い、MTT法で増殖抑制効果を,MMC水溶液との比較で検討した。複合体による増殖抑制効果は濃度依存性に変化し,同濃度のMMC水溶液の活性の81.2%が維持された。 本年度の実験結果から,この複合体に薬剤活性と抗体活性があることを免疫組織化学染色法とMTT法で確認しえたので,本剤を用いた特異的局所化学療法への応用が期待される。
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