1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671243
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
小林 進 千葉大学, 医学部, 助手 (50234828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今関 英男 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60272308)
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
|
Keywords | C‐myc / 大腸癌 / アンチセンスoligo DNA / CIP1 / WAF1 / Northern Blot Hybridization |
Research Abstract |
大腸癌切除標本におけるNorthern Blot Hybridizationの検討により、大腸癌のおよそ85%に癌部で非癌部に比較しc‐myc遺伝子のm‐RNA発現増大がみられた。また特異的にc‐myc遺伝子のmRNAレベルでの発現増大が見られる継代大腸癌培養株COLO320DMに対し、c‐mycタンパク質翻訳開始部位に対応するアンチセンスoligo DNAによる増殖抑制の検討は有意な結果を得られず、その効果は明らかではなかった。 今年度はc‐mycアンチセンスの検討と平行して、より腫瘍増殖に関与する遺伝子を検索する目的で細胞周期制御遺伝子であるCDK Inhibitor CIP1/WAF1のmRNA発現を大腸癌切除標本を用いて検討した。対象とした大腸癌16例全例で非癌部に比較し癌部における発現低下を見い出すことができた。また、同標本より、DNAを抽出し、PCR‐SSCP法により、p53遺伝子変異の検出を試みたが、16例中6例にp53の遺伝子変異を検出し、検出例ではより発現低下は著しかった。以上より、大腸癌細胞ではCIP1/WAF1遺伝子はmRNAレベルで抑制されており、細胞周期にブレーキがかからない状態となっており、これにより、細胞増殖能を獲得しているものと考えらた。また、CIP1/WAF1遺伝子はc‐myc遺伝子以上に腫瘍増殖に関わっている可能性があり、この発現をコントロールすることにより、より有用な治療法が開発されうる可能性が示唆された。
|