肝硬変における肝再生の障害のメカニズムと外因性細胞増殖因子とくにTGF-αおよびEGFにろう改変効果に関する研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06671247
• Research Institution: University of Tokyo
• Principal Investigator: 多田 敬一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80271568)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 橋本 雅司 財団法人沖中成人病研究所, 研究員 ; 皆川 正己 東京大学, 医学部(病), 医員 ; 日下 浩二 東京大学, 医学部(病), 助手 (90241992) ; 針原 康 東京大学, 医学部(病), 助手 (10189714)
• Keywords: 肝再生 / 肝切除 / 肝硬変 / TGF-α / EGF / インスリン

Research Abstract

平成7年度の実績は以下の通りである。
平成6年度に引き続いて、四塩化炭素とフェノバルビタールの経口投与による方法で肝硬変ラットモデルを作成し、正常肝ラットと肝硬変ラットに肝切除術を行い、2/3巻部分切除後の肝再生を術後24時間のDNA合成で定量的に評価した。正常用ではEGFとinsulinの使用またはTGF-αの投与で肝再生時のDNA合成の促進効果と認められなかった。肝硬変ラットモデルでは正常ラットに比べ肝再生時のDNA合成が障害されていた。EGFとinsulinの併用またはTGF-αの投与により、この肝硬変の部分切除後のDNA合成は有意に改善された。これら細胞増殖因子が肝硬変症などの肝再生の障害例で、肝部分切除後の肝再生を促進し術後肝不全の回避につながることが示唆された。

Research Products

• [Publications] 橋本雅司ほか: "肝部分切除後の機能的肝再生についての検討" 日消外会誌. 28(2). 547- (1995)
• [Publications] 橋本雅司ほか: "ラット70%肝部分切除後の肝機能の検討" 日消誌. 91. 1809 (1994)
• [Publications] 國土典宏ほか: "脾臓内に移植された肝細胞の増殖能に関する検討" 細胞療法. 2(1). 23- (1994)
• [Publications] 國土典宏ほか: "ビタミンC欠乏ODSラットにおける肝切除後の肝再生に関する検討" 日消誌. 91. 1875- (1994)
• [Publications] 國土典宏ほか: "^<99M>Tc-GSAを用いたGumラットの脾内移植肝細胞の定量的評価法" 日本移植学会誌. 29. 207- (1994)