1996 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌・食道癌におけるアポトーシスの臨床的ならびに実験的検討
Project/Area Number |
06671255
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藍澤 喜久雄 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (10222449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西巻 正 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (70242427)
鈴木 力 新潟大学, 医学部, 助教授 (40183420)
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Keywords | アポトーシス / 胃癌 / p53 / bcl-2 / PCNA / TUNEL法 |
Research Abstract |
p53によるアポトーシスの誘導には、化学療法剤や放射線などによりDNA損傷を受けた場合にp53が活性化され、アポトーシスを抑制するBcl-2発現を抑え、アポトーシス抑制活性を阻害する働きをもつBax発現を誘導することにより引き起こされるメカニズムが存在するといわれている。したがって、p53遺伝子の変異は癌細胞の増殖活性、アポトーシスと強く関連している可能性が示唆される。今回は、進行胃癌において、Bcl-2蛋白の発現、また、TUNEL法によりアポトーシスの有無を検索し、以前検討したp53蛋白発現、PCNA活性、臨床病理学的因子との関係について検討し、アポトーシスの胃癌における生物学的悪性度に果たす役割、予後との関連について考察した。Bcl-2発現群においてアポトーシス・インデックス(AI)は低く、またPCNA活性も低かった。高いAIと高いPCNAはよく相関していた。p53蛋白発現は、Bcl-2蛋白発現、AIとの間に関連を示さなかったが、高いPCNA活性と強く関連していた。Bcl-2蛋白発現、p53蛋白発現ともに臨床病理学的因子との関連を示さなかったが、p53陽性例の予後は有意に不良であったが、Bcl-2発現、AIと予後との関連はなかった。以上より、Bcl-2の発現はアポトーシスの発現、増殖活性と関連するが、癌の生物学的悪性度、予後との関連は認められないことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Norio Tanaka: "Modulation of cisplacin sensitivity and resistance by buthionine sulfoximine and cyclosporin A in human esophageal cancer cells" Int On col. 9. 935-940 (1996)
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[Publications] Kikuo Aizawa: "Chemotherapy of human α-fetoprotein-producing gastric carcinomas grown in nude mice" Oncology Reports. 4. 397-400 (1997)
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[Publications] Tadashi Nishimaki: "Intramural metastases from thoraeic esophageal cancer : local indicators of advanced disease" World J Surg. 20. 32-37 (1996)
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[Publications] Jun Soga: "Carcinomas involving the esophagogastric junction (EGJ-Ca),a reavaluation of the criteria" Int Surg. 81. 149-151 (1996)