1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671281
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 恒夫 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40197447)
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Keywords | 慢性膵炎モデル / アルコール / 膵石症 |
Research Abstract |
平成6年度にはアルコール投与(2.0g/kg/day)に膵管狭窄を加えた群の3カ月モデル(以下CAPモデル)を主に作製し、以下の結果を得た。 1.肉眼的にはCAP3カ月モデルにおいては膵の高硬度は増強していた。膵管造影像所見でも主膵管の拡張、蛇行が認められた。セクレチン負荷試験による膵外分泌機能では膵液量、アミラーゼ量、重炭酸塩量とも低下していた。膵内分泌機能は差は認められなかった。、病理組織学的所見ではヒト慢性アルコール性膵炎の組織像に類似した所見が得られた。 2.水素ガスクリアランス法による膵の組織血流量の測定ではCAP3カ月モデルにおいてコントロール群より有意の低下が認められた。 3.CAP3カ月モデルの一部においては肉眼的、レ線にて膵石が慢性アルコール性膵炎モデルとしては世界で初めて確認された。 本研究における第一の目的である慢性アルコール性膵炎モデルを作製は肉眼的、膵管造影像、膵外分泌機能、病理組織学的所見のいずれにおいても上述のごとく有用なモデルであることが確認された。 第二の目的である経時的に形態像、膵機能、組織像を比較検討し、これらの相互関係を明らかにする点は1、2カ月モデル犬の作製数が少ないために、現時点では検討できていない。平成7年度においてはこれらの実験を継続して行い検討を加える予定である。 また、計画の時点では予想されていなかった膵石症が確認されたので、可能であればこの発生機序に関しても研究をすすめたい。
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