1994 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン4による消化器癌治療法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
06671291
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
森崎 隆 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | IL-4 / 胃癌 / IL-4レセプター / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
ヒト胃癌、大腸癌細胞にIL-4レセプターが存在し、in vitroで、IL-4がこれらの細胞に対し、増殖抑制など種々の生物学的修飾作用を有することにより、ヒト消化器癌に対するIL-4の臨床応用が可能かどうかを基礎的に検討することが本研究の目的である。 本年度の研究は IL-4の臨床応用のための、in vivoでの効果の検討を目的としていた。ヌードマウスを用いた実験では、IL-4感受性の胃癌細胞株HTB-135をマウス背部皮下に移植し、5mmの腫瘤形成後、ヒトリコンビナントIL-4(10^3-10^5units)(米国Stering社)を腫瘍内へ投与し、腫瘍の退縮および増殖抑制効果を検討したが、期待された効果はみられなかった。腫瘍移植時に同時に10^5unitsのIL-4を注入した実験においては、一回注入群では効果が見られなかったが、2回注入した群ではコントロール群に比べ腫瘍増大が抑制されたが、統計的有意差は得られなかった。以上の予備実験の結果よりin vitroではIL-4に対し感受性のみられた胃癌細胞もin vivoでは効果が半減すると考えられた。この理由としてIL-4のin vivoでの投与時における生体内半減期が関与すると考えられた。そこで、IL-4を持続的に腫瘍内へ放出するシステムの確立が先決であると考えられ、現在IL-4を注入したマイクロカプセルの応用を検討している。 また当初予定していたIL-4遺伝子の胃癌細胞への導入実験は導入効率が悪く手間取っており、上記予備実験結果より考えて、腫瘍細胞を用いるより、むしろIL-4の長期にわたる分泌が期待される線維牙細胞への導入、利用が期待できると考えられ、現在導入効率の基礎的検討をおこなっている。なおIL-4の胃癌細胞に対する増殖抑制の機序については本研究の分担者である森崎らが、細胞周期阻害との関連を最近報告し、IL-4のin vivoにおける効果を改善するためにも重要な知見と考えられた。
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[Publications] D.S.B Hoon: "Interleukin 4 plus tumor necrosis factor augments the antigenicity of melanoma cells" Cancer Immunol Immunother. 37. 378-384 (1993)
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[Publications] Takashi Morisaki: "Interleukin 4 requlates Gl cell cycle progression in gastric carcinoma cells" Cancer Research. 54. 1113-1118 (1994)
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[Publications] Takashi Morisaki: "Characterization and augmentation of CD4+ cytotoxic T cell lines against melanoma" Cancer Immunol Immunother. 39. 172-178 (1994)
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[Publications] 森崎 隆: "抗腫瘍サイトカイン-インターロイキン4の臨床応用への道" Oncologia. 27. 287-293 (1994)
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[Publications] Mitsuo Katano: "Increased proliferation of a human breast carcinoma cell line by recombinant interleukin-2" Cancer Immunol Immunother. 39. 161-166 (1994)
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[Publications] Mitsuo Katano: "Interleukin-2(IL-2)production by human B-cell line" Cell Immunol. 159. 262-270 (1994)