1996 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の浸潤,転移機構の分子生物学的解析および新しい転移制御法の開発
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06671299
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鄭 容錫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40188652)
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Keywords | 膵癌 / 糖鎖抗原 / 浸潤,転移 / ELAM-1 / 糖鎖合成阻害剤 / 遊走能 / 遊走刺激因子 / u-PA |
Research Abstract |
ヌードマウス脾内注射にて高率に肝転移をきたすSW1990細胞は,転移を示さないPANC-1細胞の浸潤,遊走能を亢進させる因子を産生していることが判明しており,この因子(PDMF : pancratic cancer-derived motility factor)の単離,精製と他因子との関連の検討した.PDMFは,HPLC, gel-filtrationによる検討から分子量約40kDaのヘパリン非結合性蛋白であり,細胞増殖には影響を示さなかった.膵癌細胞の遊走性は,IL-1, IL-6, TNF, HGF, TGF, EGF, IFNなどのサイトカインにても増強したが,SW1990からはIL-6, TGF-βの産生が検出されたものの,これらの中和抗体添加にてもPDMFの効果は減弱を示さず,PDMFは新しい遊走刺激因子であると推測される.今後さらなる精製とモノクローナル抗体作製を試みたい. 次に,細胞外マトリックス分解に関わるプロテアーゼの中でu-PAに関し検討した.高転移性のSW1990と低転移性のPANC-1の培養上清中へのtotal u-PA産生は,ELISAでの検討で差がみられなかったが,そのインヒビターであるPAI-1は,SW1990において有意に低下していた.その結果,SW1990培養上清中のu-PA活性はPANC-1に比し有意に亢進していた.そこでセリンプロテアーゼインヒビターの一種であるメシル酸ガベキサートによるSW1990の浸潤,転移抑制効果を検討した結果、in vitroのu-PA活性ならびに浸潤能は有意に抑制され,さらにヌードマウスを用いたin vivo肝転移モデルでも転移の抑制傾向がみられ,新しい転移抑制剤として応用できる可能性が示唆された.
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[Publications] Y. Sakurai: "Identification and characterization of motility pimulating factor secreted from pancreatic cancer." Clinical Experimental Metastasis. 15. (1997)
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[Publications] Y. Kawazoe: "Role of urokinase-type plasminogen activator and inhibitory effect in invasion and metastasis of pancreatic cancer." International Journal of Oncology.