1995 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸負荷試験を用いた黄疸および肝硬変合併時における肝切除術の適応基準の作成
Project/Area Number |
06671301
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Research Institution | Wakayama Medical School |
Principal Investigator |
石本 喜和男 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (40176227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 博信 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40264882)
内山 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80232867)
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
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Keywords | 肝汁酸負荷試験 / 肝予備能 / 肝硬変 |
Research Abstract |
1)肝の切除量が明白な肝左葉または外側区域切除術を施行した17例を対象として、術前に肝切除体積および切除率の推定に、本研究補助費で開発購入した画像処理ソフトの有用性を検討した。 術前CT画像をビデオ入力装置を利用してコンピューターに取り込み、画像処理ソフトを用いて総肝体積、推定肝切除体積を求め、切除率を算出して摘出肝重量と比較した。その結果、推定総肝体積は1,173±188cm^3で、推定肝切除体積(X)は左葉切除術で259±113cm^3、外側区域切除術で219±93cm^3、切除率はそれぞれ23.0±9.2%、17.6±7.1%であった。実際の切除重量(Y)はそれぞれ264±125g、213±97gであり、Y=0.878X+30.2(r=0.903)の強い正の相関を認めた。 2)肝切除60例において、術後肝不全にて死亡した4例を肝不全、軽快退院した57例を非肝不全例として、予後得点を算出した。肝汁酸負荷試験のパラメーターであるΔUDCA_<30>、ΔUDCA_<120>、T・AUCと、その他の肝機能検査のICG R_<15>値、動脈血中ケトン体比、コリンエステラーゼ、さらに、肝切除量から腫瘍体積を差し引いた正常肝切除量、正常肝切除率を独立変数とし、重回帰分析を行った結果、予後に対する重みが強い4予後因子を用いると、Y=3.48X+1.61ΔUDCA_<120>-0.12T・AUC+1.68ICG R_<15>-31.0(X:正常肝切除量=肝切除量-肝腫瘍量 単位:100g)で予後を推定できることを初めて明らかにした。 これらの研究成果により、術前CT画像から画像処理ソフトを利用して推定肝切除推定量を求め、重回帰式に当てはめ、肝切除術後の予後を推定することが可能となった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 石本喜和男: "閉塞性黄疸における3β-OH胆汁酸の変動からみた減黄効果の判定法" 日本外科学会雑誌. 臨増. 249 (1995)
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[Publications] 石本喜和男: "胆石中エステル型高級脂肪酸のHPLC測定の意義" 日本外科学会雑誌. 臨増. 120 (1995)
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[Publications] 石本喜和男: "硬変肝の胆汁酸負荷試験による切除量決定" 日本消化器外科学会雑誌. 28. 437 (1995)
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[Publications] 石本喜和男: "高速液体クロマトグラフィーによる胆石中長鎖脂肪酸測定" 日本消化器外科学会雑誌. 28. 1139 (1995)
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[Publications] 石本喜和男: "高速液体クロマトグラフィーによる胆石中長鎖脂肪酸測定" 医学のあゆみ. 173. 935-936 (1995)
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[Publications] 内山和久: "全国統計からみた肝内結石症の胆汁中検出菌について" 日本外科感染症研究. 7. 121-125 (1995)
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[Publications] 谷村弘: "胆石症.戸田剛太郎,大原毅編「消化器病学」第4版" 医学書院 東京, 21(576〜595) (1995)
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[Publications] 内山和久: "総胆管結石の治療法の選択,胆管結石症の治療法の変遷" 自然科学者東京「胆道疾患研究の進歩」, 5(161〜165) (1995)