1995 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症におけるカルニチンによるミトコンドリア機能保護に関する研究
Project/Area Number |
06671319
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
北澤 康秀 関西医科大学, 医学部, 講師 (10140261)
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Keywords | ミトコンドリア / カルニチン / 膜膨化 / カルシウム / ミトコンドリア呼吸能 / MMP |
Research Abstract |
敗血症において発生するmitochondorial membrane pore permeability transition (MMP) がcarnitine により防止できるか否かについてin vivoにて検討した。 200g前後の雄性ラットにLPS5および10mg投与にて敗血症を作成後、12時間、24時間後にラットを屠殺し実験に供した。L-carnitine投与群はL-carnitine500mgをLPSと同時に腹腔内投与し、同時間に屠殺し、肝を摘出した。その後、直ちに遊離ミトコンドリアを作成し、MMPおよびミトコンドリア機能についての検討を行った。1)0.6μCi[^<14>C]sucroseと200μlsampleを30秒間incubateした後のミトコンドリア内放射活性を測定する[^<14>C]soucrose entrapment法にて検討したMMPではLPS投与12時間後、24時間後にmitochondria内放射活性の低下、すなわち、mitochondria swellingによるsucroseの膜通過障害を認めたが、carnitine投与12時間後のmitochondrial swellingは軽減されており、その放射活性の有意の回復をみた。しかし、24時間後の放射活性には有意差を認めなかった。Garnitineの尿中排泄による効力低下なのか、他の機序によるものかは現在不明である。 2)細胞内Ca2+はLPSによるmitochondrial swellingにより大量に遊離したが、carnitineはその遊離を阻止した。 3)クラーク電極を用いてmitochondria機能について検討した。pyruvate、β-hydroxybutyrate,succinate,ascorbateを基質としたミトコンドリア呼吸能をstate 3,state 4,呼吸調節率、ADP/O比にて検討したところ、LPS投与により急激なmitochondriaでの酸素消費量の減少を認めたが、carnitine投与にて、その酸素消費の減少は有意に抑制された。 したがって、carnitineはLPS投与にて発生するMMP,mitochondrial swellingを抑制することにより、その機能を保持するのに有効と思われた。
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