1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671323
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近江 三喜男 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00144931)
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Keywords | イメージングプレート / [^3H]-CGP 12177 / [^<11>C]-CGP 12177 / 心肺移植 / 急性拒絶反応 / 心筋β受容体 / PET |
Research Abstract |
従来行われてきた移植心から膜分画を作製し、それを定量化する方法は、臨床的には侵襲的であり、また、拒絶に伴う受容体の局在の変化を考慮せず、心筋全体の受容体量の変化を見ているに過ぎない。そこで我々は、心移植後の心筋β受容体を[^<11>C]-CGP 12177を用いて非侵襲的にPETで画像化し、それを拒絶反応の早期診断とその後の経過観察に利用することを目的とした。その基礎実験として[^3H]-CGP 12177を用いたautoraoiographyで、イメージングプレート(IP)上にβ受容体量(密度)や局在の変化を画像化した。Prop、或はLee法に準じたラット心肺移植モデルを作成し、CsA(-)群、及びモデル作製後、5日目よりFK-506を連日投与した群に分け、in vivoで移植心を摘出、凍結切片を作製後、IPと5日間コンタクトした。心筋が変性、或は、脱落壊死となった場合、心筋β受容体の減少に伴い、一部か広範囲にわたるlow density area(LDA)が認められ、これが急性拒絶反応の診断の手がかりとなり得た。拒絶反応がgrade2,3の心筋β受容体は、up regulationによるhigh density area(HDA)とLDAとが交じりあったpatchyな画像を呈した。gradelであっても、当然あるはずのup regulationが認められない、或はそれに伴いβ受容体の不均一分布がある場合には、早期の拒絶反応の診断が可能と思われた。以上の様に、心移植後の心筋β受容体と拒絶反応の進行様式との間には密接な関係があり、移植早期で心筋β受容体を画像化することにより、急性拒絶反応の早期診断が可能と思われる。次年度は、各種免疫抑制剤の投与など拒絶反応の治療に伴いdown regulation、LDAを示したreversibleな心筋がどのような経過をたどるかについて、追跡研究を続け、また、[^<11>C]-CGP 12177を合成後、大型動物を用いてPETでの画像化をする予定である。
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