1994 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌のアンチオリゴヌクレオチドによる増殖抑制の検討 -特に癌、増殖遺伝子を用いて
Project/Area Number |
06671360
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
知元 正行 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40191902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 晃一郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60009488)
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 研究員 (60133279)
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Keywords | 肺癌 / 癌遺伝子 / 増殖抑制 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
これまで我々は肺癌を障害することを目的とした研究を行ってきたが、特に増殖能を除いて癌に特異的を求めることは非常にむつかしい。今回は肺癌細胞を特異的に障害する目的で、肺癌で分子生物学学的解析に基ずいて得られた情報のうち、正常細胞と癌細胞の間に認められている生化学的差異のオンコジンの活性化、増幅を基に、肺癌に高頻度に発現しているオンコジンおよび増殖遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(AO)を作製し、癌細胞の増殖を特異的抑制すること治療法が肺癌治療に適用できるかの可能性を検討した。 本研究の進行は研究組織の分担者である安田の個人的理由(母親の長期入院と死亡による諸々事情とその後の疲れによる病気)で4ヵ月以上中断したため、計画はかなり遅れている。この間、手術材料の逐次凍結保存は行った。所有している培養細胞の一部の癌遺伝子・増殖遺伝子解析をH-ras、C-mycおよびPCNA遺伝子について行い、いくつかの細胞でこれらの遺伝子の発現が認められたので、これらの遺伝子に対する15塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計および合成を行い、その効果の検討を癌遺伝子・増殖因子遺伝子解析で発現異状が分っている培養細胞株のいくつかに対して添加して行ったが、その増殖抑制活性は十分得られなかった。この理由として、作製したAOがエクソヌクレアーゼ活性により分解にされたことや安定性、細胞への透過性および溶解性が良くなかったことが考えられたため、その効果を評価出来できるに至っていない。これらの点を改良することを現在検討している。
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