1994 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素負荷における神経細胞内カルシウム濃度変化に対する一酸化窒素のおよぼす影響
Project/Area Number |
06671381
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安藤 隆 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90126722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 勝信 岐阜大学, 医学部, 助手
横山 和俊 岐阜大学, 医学部, 助手
岩井 知彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80223361)
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Keywords | calcium / NMDA / nitric oxide / hippocampal slice |
Research Abstract |
神経細胞内伝達物質として、重要な細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]i)とnitric oxide(NO)との関係を明らかにすることは、虚血時の病態解明において重要と思われる。NO donorであるSodium Nitroprusside(SNP)、S-nitroso-N-acetylpenicillamin(SNAP)及びNO inhibitorであるN-nitro-L-arginine(L-NNA)が、N-methyl-D-aspartate(NMDA)により誘発される[Ca^<2+>]i変化におよぼす影響及び低酸素無グルコース負に対するSNPの作用について、ラット海馬スライスを用いて検討した。NMDA(100μM)を含む人工脳脊髄液で 流すると[Ca^<2+>]iは、一過性に急激に上昇した。NMDAとSNPの同時負荷により〔Ca^2〕iの上昇の程度はSNP濃度依存性に減少する傾向を認めた。NMDAとSNAPの同時負荷ではNMDA単独と上昇の程度には差はみられなかった。L-NNA前投与後、NMDAとSNPの同時負荷ではSNP濃度依存性に減少する傾向を認めた。低酸素無グリコース負荷による持続的な上昇に対してSNPは抑制効果を示さなかった。SNPはNMDAにより誘発される[Ca^<2+>]iの上昇を抑制したが、100倍のNO様作用を有するSNAPでは、抑制されず、又、NO合成酸素抑制剤の前投与でも[Ca^<2+>]iの上昇を抑制されなかったことよりSNPの[Ca^<2+>]i上昇の抑制はNOを介さない別の機序が推測され、SNPをNO作用性薬剤として使用するのは、注意が必要と思われた。
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