1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671384
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高安 正和 名古屋大学, 医学部, 助手 (60216794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 美雅 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 一酸化窒素(NO) / 脳実質内細動脈 / 脳微小循環 / L-NMMA / L-アルギニン |
Research Abstract |
血管内皮由来の血管拡張物質、一酸化窒素(NO)の役割について、脳血流調節の主要部位である脳微小循環系の細動脈において検討した。我々が従来から使用している方法でラット脳より細動脈を摘出し、これを倒立顕微鏡上のチャンバーでカニュレーションした後、種々の試薬を投与してその血管径の変化をテレビモニター上で観察記録した。平成6年度は一酸化窒素による脳細動脈の基礎張力調節について、一酸化窒素の阻害剤と基質を使用することにより明らかにし、また、その作用の脳における部位差を比較検討をした。実験装置の組織槽の温度調節は成茂科学器械研究所製のバイオウオ-マ-MT-1の加温セルを改良して使用し良好な結果を得た。ラットの中大脳動脈領域から脳実質内細動脈を摘出し、血管径が安定した後、種々の試薬を投与した。まず一酸化窒素の阻害剤(L-NMMA)を投与して細動脈における一酸化窒素の基礎分泌の程度を検討し、平均14%の最大収縮を得た。次に 一酸化窒素の前駆物質であるL-アルギニンによる血管拡張作用を検討し、平均11%の最大拡張を見た。次に脳底動脈領域から摘出した細動脈についても同様の実験を行なったところL-NMMAによる最大収縮は23%、L-アルギニンによる血管拡張は24%と、中大脳動脈領域からの細動脈にくらべ有意に大きな反応が見られ、脳の部位により一酸化窒素の血管反応性に差が存在した。平成7年度には病的状態での一酸化窒素の作用の変化を脳の細動脈において検討し、最後に細動脈において産生された一酸化窒素の量を実際に検出する試みを行う。
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