1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい光感受性物質ATX-S10の放射線増感剤としての検討
Project/Area Number |
06671393
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢野 隆 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20239825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 尚幸 広島大学, 医学部, 医員
門田 秀二 広島大学, 医学部, 助手 (50263687)
栗栖 薫 広島大学, 医学部, 助教授 (70201473)
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Keywords | ATX-S10 / 脳浮腫 / 光化学療法 / 光感受性物質 / 悪性脳腫瘍 / 放射線増感剤 |
Research Abstract |
1、実験脳腫瘍におけるATX-S10の分布動態の検討 ラット脳内移植モデルにATX-S10を20mg/kgの濃度で腹腔内投与した後1,3,4,6,12時間後に脳腫瘍,脳浮腫部,反対側正常脳,及び血清,肺,肝,腎,筋の各臓器を採取し、ATX-S10の濃度をnitrogen-pulsed laser spectrofluorometry法により解析した。その結果1,3,4,6時間後においては腫瘍におけるATX-S10の集積性が腫瘍周囲脳、反対側正常脳に比し非常に高く、特に正常脳との比率は各時間にいて8:1から12:1であった。また、12時間後にはATX-S10は脳腫瘍からもほとんど排出され、高い腫瘍集積性とともに比較的速やかな排泄性も示された。腫瘍周囲脳におけるATX-S10の集積性は各時間とも腫瘍より低く比率は2:1から5:1であってが、反対側正常脳よりはいずれの時間の集積性は高かった。 他臓器については、血清内集積性は1、3、4、6時間後とも腫瘍集積性より高かったが、12時間後にはほとんど排出されていた。肺、肝、腎、筋においてはATX-S10の集積性は正常脳と同程度に低かった。 ATX-S10の放射線増感作用のin vitroにおける検討 9L gliosarcomaの継代培養細胞を用い、ATX-S10を1、2.5、5、10ug/mlの濃度で添加後、コバルト60(以下Co60)を2、5、10Gyの線量で各々照射した。予測ではATX-S10が高濃度であるほど放射線による殺傷率が高くなると思われるが、結果は予測に反してATX-S10が高濃度であるほど殺傷率は低くなった。これは、予測ではATX-S10が放射線増感剤として働くと思われるが、逆にradical scavengerとして働いたためと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 門田秀二: "光感受性物質「ATX-S10」の悪性脳腫瘍モデルにおける脳内及び全身への分布動態の検討" 広島大学医学雑誌. 43. 77-85 (1995)
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[Publications] 門田秀二: "水溶性Pheophorbide-aの実験脳腫瘍モデルにおける分布動態の検討-特に腫瘍部と脳浮腫部の比較について-" 第14回 日本レーザー医学会大会 大会論文集. 14. 329-332 (1994)