1995 Fiscal Year Annual Research Report
凍結処理膝蓋腱の力学的特性に及ぼす除負荷の効果の発現機序に関する超微構造学的解析
Project/Area Number |
06671433
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安田 和則 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (20166507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 登 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261297)
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Keywords | 凍結処理 / 膝蓋腱 / 除負荷 / 超微細構造 / 電子顕微鏡 / 生体工学 / 力学的特性 / 靱帯再建 |
Research Abstract |
1.研究の目的は正常な膝蓋腱の微細および超微構造に対する凍結処理の効果,および凍結処理膝蓋腱の微細および超微構造に対する除負荷の効果を明らかにすることである。 2.control標本において,フィブリルの直径は30〜360nmに分布していた。ヒストグラムは2峰性を呈した。Shamグループにおいてはtime-zeroと3週においては結果はcontrolと同様であった。しかし6週においては90nmより小さな直径を持つ細いコラーゲンフィブリルの数が増加した。そしてヒストグラムは単峰性を呈した。3週の除負荷グループでは細いコラーゲン線維の数が減少した。そして360nm以上の直径を持つ太いコラーゲン線維が出現した。この時ヒストグラムは2峰性を呈した。6週では3週で見られた特徴がより鮮明になった。どの観察時期においても除負荷群とSham群の間には有意差が存在した(p<0.01)。 3.本研究は凍結処理と除負荷が膝蓋腱の光学顕微鏡レベルの構造および超微構造に強い影響を与えることを示した。凍結処理は1視野全体に対する膠原線維の面積の総和の比率(%CF)には影響を与えなかった。しかし6週において90nmより細いコラーゲン線維の数を増加させた。凍結処理を受けた膝蓋腱に対する除負荷の効果に関しては除負荷は線維束内に空胞を発生させ,そして%FBを低下させた。加えて除負荷がコラーゲン線維の数を減少させさらに%CFも減少させた。しかし除負荷は正常ではみられない360nm以上の直径を持つ太いコラーゲン線維を発生させることが注目された。これらの観察結果は凍結処理あるいは除負荷を受けた膝蓋腱による引っ張り強度の低下の理由を考えるに当たって有用な情報を提供した。すなわち断面積におけるコラーゲン線維の面積分率の低下あるいは量的な低下あるいはコラーゲン線維の中に各線維内における分子間摩擦力の低下などが引っ張り強度を低下させる原因になっていると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yasuda K: "Graft site morbidity with autogenous semitendinosus and gracilis tendons." Am J Sports Med. 23. 706-714 (1995)
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[Publications] 土田 隆政: "家兎膝蓋腱の超微細構造の不均一およびそれが力学的特性に与える影響" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 16. 123-127 (1995)
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[Publications] Ishida H: "Effects of resumption of loading on stress-shielded autografts in auzmeutation procedures.-An experimental study-" Am J Sports Med.(in press).
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[Publications] Mazima T: "Biomechauical effects of stress-shielding of the rabbit patellar tendon depend upon the degree of stress reduction." J Ortop.Res. (in press).
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[Publications] Tsuchida T: "Effects of stress shielding on the ultrastructure of normal and in situ frozen rabbit patellar terdons-Arole of fibrobrasts-" Trans Orthop Res Soc. 20. 613- (1995)
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[Publications] Tsuchida T: "Ultrastructual in homogeneity is not reflected in the mecharical properties in the rabbit patellar tendon." Trans Orthop Res Soc. 21. 365- (1996)
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[Publications] Yasuda K: "Clinical Biomechanics and Related Research" Springer-Verlag,Tokyo, 429 (1994)
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[Publications] Yasuda K: "Biomechanics.-Fundional Adaptation and Remodeling-" Springer-Verlag,Tokyo, 314 (1996)