1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの軟骨破壊の機序とその予防に対する研究
Project/Area Number |
06671454
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐浦 隆一 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10252769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 耕作 神戸大学, 医学部, 教授 (90030981)
藤岡 宏幸 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10252777)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 軟骨破壊 / 軟骨細胞 / 多核白血球 / 過酸化水素 / 一酸化窒素 / サイトカイン |
Research Abstract |
関節軟骨の代謝調節には種々の因子が報告されているが、種々の細胞が産生するナイトリックオキサイド(NO)がガスメディエーターとしてこの軟骨細胞の代謝に重要な役割を演じていることが報告されている。しかし関節軟骨におけるNOの産生系およびその生理機能について不明な点が多い。平成6年度の研究から培養関節軟骨細胞はインターロイキン-1αによりNO産生が経時的に増強され、軟骨細胞は炎症下の刺激により自ら産生するNOの作用を介して活性酸素系を介した細胞障害に対して防御的に働く可能性が大きく、特に関節軟骨破壊の予防的観点から軟骨細胞のNO産生が関節軟骨破壊機序の重要であることが明らかとなったが、その詳細なメカニズムについては不明であった。そこで、分子生物学的手法を用いて軟骨細胞のNO産生に関する解析を行った。また、その他の炎症性サイトカインのNO産生に対する効果についても検討した。その結果、関節軟骨細胞は腫瘍壊死因子-αの刺激でも濃度依存性にNOを産生したが、インターロイキン-1β単独では観察されなかった。NOはNOシンターゼ(NOS)の作用によりL-アルギニンから合成されるが、このNOの産生促進が、軟骨細胞内での誘導型NOS(iNOS)の遺伝子レベルでの発現調節を受けているかどうかをラットiNOSのprimerを用いたRT-PCR法により検討した。ラットとウシのiNOSの遺伝子の塩基配列の相同性に検討の余地があるが、インターロイキン-1αで刺激した軟骨細胞内には明らかにiNOSのmRNAの発現が認められた。一方、非刺激の軟骨細胞ではこのiNOSのmRNAの発現は認められなかった。以上より、インターロイキン-1αによる軟骨細胞のNO産生はiNOSの誘導を介して行われていることが明らかとなった。
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[Publications] 藤田郁夫: "多核白血球による軟骨細胞障害に対する軟骨細胞障害に対する軟骨細胞由来のnitric Oxideの影響" リウマチ. 33. 639-639 (1993)
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[Publications] Ikuo Fujita: "Inhibition of Neutrophil-mediated Chondrocute Cytotoxicity by Nitric Oxide Generated by Articular Chordrocyte: Novel Protective Mechanism of the Cartilage Degradation." Ortho paedic Transactions. 18. 502-502 (1994)
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[Publications] Ikuo Fujita: "Inhibition of Neutrophil-mediated Chondrocute Cytotoxicity by Nitric Oxide Generated by Articular Chordrocyte: Novel Protective Mechanism of the Cartilage Degradation." Arthtitis and Rheumatism. 36. S189-S189 (1993)