1994 Fiscal Year Annual Research Report
海綿骨に近似した力学的特性を有する大気孔率のチタン線維金属の改良開発に対する研究
Project/Area Number |
06671460
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
山本 博司 高知医科大学, 医学部, 教授 (90035709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝渕 弘夫 高知医科大学, 医学部, 助手 (20219661)
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Keywords | 生体材料 / チタン繊維金属 / 脊椎固定 / 動物実験 / 骨侵入 / 材料力学 / 機械的特性 |
Research Abstract |
1.大気孔率のチタン線維金属の物性について 作成したTFMIは250μmの純チタンワイヤーをmesh状に編み上げ、1300°で燒結成型したもので椎体内用Φ4mm×7mm円筒形、椎体間用8mm立方体形の2種類である。ワイヤーの充填量を調整することで従来50%であった気孔率を60%に変更している。新しいimplantの物性としては360kg荷重試験前後で気孔率は0.3%の低下、変形は平均0.7mmであり気孔率をあげることでより弾性の高いものとなっていることが判明した。移植実験においてもimplantの圧潰、経時的な変形を認めたものはなく、術直後の高位を維持していた。 2.大気孔率のチタン線維金属の長期生体移植について 雑種成犬13頭の腰椎椎体内、椎体間にimplantを移植し単純レ線による経時的な変化の推移と3か月、6か月時でのトルイジンブルー0染色による組織学的検討、力学試験を行った。組織学的には椎体内implantは、気孔率50%、60%ともに3か月より、2mm以上の良好な骨侵入を認め差はなく、椎体間implantでは3か月時0.5mm、6か月時2.45mmの最大骨侵入深度を認め、6か月時において先の50%のものより良好な骨侵入であった。また椎体間implantのpush out試験では6か月時において平均17.45kgf/cm^2と先の報告の13.1kgf/cm2と比べ有意に増加していた。 本年度の実験結果より大気孔率のTFMIはその力学的安定性が得られれば脊椎固定材料として優れた特性を持つことが判明した。
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