1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨折治癒過程におけるNouropevtideの役割
Project/Area Number |
06671468
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
齋藤 知行 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30170517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野 裕昭 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20275027)
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Keywords | 偽関節 / 骨折治癒 / 骨膜 / 神経 / Neuropeptide |
Research Abstract |
ラットの骨折実験では、生後8から10週のラットを左大腿中央で3mmの骨欠損を作成し、吸収性のピンを介在させ、骨折部の不安定性を維持した。その結果、手術後4週で骨癒合し、2週間では用手的に不安定性が確認された。骨折部が不安定であるため、固定は腹大動脈からカテーテルを挿入しZamboni固定液を注入する潅流固定法を用いた。固定後、冷10%EDTA溶液で脱灰したが、脱灰には5〜6週間が必要であった。洗浄後、OCT compoundで凍結標本を作成し、15μmの薄切切片とし免疫組織化学染色を行った。in vitroの実験については、当初ラットの下腿より骨膜の採取を試みたが、筋の付着部が多く採取が困難であり、生後1週の幼若鶏の脛骨前面から採取し、酵素処理し骨膜細胞を単離した。2X10^6cell/mlに調整し、50μlを35mm-dish中央に滴下しmicromass cultureを行った。ascorbic acidを毎日、またβ-glycerophosphate を隔日に滴下し、10%仔牛血清添加BGJ培地で培養した。培養7〜10日でカルシウムの沈着を培養の中央に認め、in vitroの実験方法を確立した。骨折実験後1週間で旺盛な仮骨形成を認め、骨欠損周囲に軟骨細胞が集簇していた。免疫組織化学染色では神経終末の存在が確認されたが、その頻度は予想外に少なく、EDTAの長期間浸漬の影響を考慮し20%の濃度を高め脱灰を試み、また抗体を変えて、neuropeptide陽性神経終末の仮骨部での発現頻度を再検討する。in vitroでは、生後1週幼若鶏の脛骨前面から骨膜は約0.5X25mmの短冊状に採取でき、筋芽細胞などが混入することなく培養細胞の形態はすべて紡錘形の線維芽細胞であった。10%仔牛血清添加BGJ培地でhigh density cell cultureで、骨膜細胞は旺盛な細胞分裂と軟骨細胞と骨細胞に分化した。その経過はtoluidine blueとvon Kossa染色により確認された。この実験系を用いて、今後substancePを添加時の骨膜細胞の分裂様式、軟骨基質形成におよぼす影響について検討する。
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