1994 Fiscal Year Annual Research Report
頚神経根部の疼痛発生機序に関する解剖学的並びに実験的研究
Project/Area Number |
06671479
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
高橋 邦泰 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80188002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 暢之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10049794)
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Keywords | 神経終末 / 神経鞘 / 後根神経節 |
Research Abstract |
[平成6年度] 病理解剖により得られた標本より頚部後根神経節周膜,及び上膜の自由神経終末の質的分布形態の検討を光学顕微鏡でした.ウサギにおける電気生理学的検討は現在進行中である. 1.解剖学的研究 頚部後根神経節周膜,上膜を前根鞘部,後根鞘部,後根神経節鞘部に分けて自由神経終末の分布形態を観察すると,いずれの部にも自由神経終末が存在した.神経線維は無髄神経線維と有髄神経線維の2種類が存在することが明らかになった.後根神経節鞘部での自由神経終末の形状は,根瘤状や糸球状形態を示すものも存在していた.自由神経終末と他の神経終末は後根神経節の近位.遠位の神経鞘に多くみられた. 自由神経終末の分布頻度は,後根神経節鞘近位部,遠位部,中間部,後根,前根鞘部の順であった. 2.実験的研究 ウサギの頚神経後根神経節周膜,上膜を電気刺激し,誘発電位の分析を行って,検討中である. 当初の研究目的,研究計画,方法はほぼ順調に進行中である.解剖学的研究は,共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡を用いて行う研究は現在進行中である. ヒトの頚神経根〜後根神経節鞘には3種の神経終末が見いだされ,自由神経終末は後根神経節鞘部に最も多く存在した.これらは神経根性疼痛発生になんらかの役割を果たしていることが示唆された.
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