1994 Fiscal Year Annual Research Report
Fibrous long-spacing collagenの発生機序と腫瘍転移
Project/Area Number |
06671483
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三木 浩 帝京大学, 医学部, 教授 (70082154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 和俊 帝京大学, 医学部, 教務職員
朴 杓允 帝京大学, 医学部, 助手 (20147094)
中島 光生 帝京大学, 医学部, 講師 (20091069)
大野 藤吾 帝京大学, 医学部, 教授 (70082120)
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Keywords | VI型コラーゲン / ラミニン / Fibrous long-spacing collagen / 神経鞘腫 |
Research Abstract |
神経腫瘍を始め多くの病理組織や細胞培養中等に観察されているFibrous long-spacing collagenの形成機序および組織学的な存在意義を明確する目的で、線維芽細胞培養と臨床的に得られた末梢神経腫瘍の薬剤処理によりFibrous long-spacing collagenが実験的に作られるかを調査すると共に、神経腫瘍中に観察されるFibrous long-spacing collagenの生化学的特徴を調べた。 線維芽細胞培養は、アスコルビン酸の添加により細胞間質の発達が促進され、100nm周期線維が、電子顕微鏡的に観察された。しかしこの構造とFibrous long-spacing collagenは、形態学的にdark bandの様相が若干異なっているようである。この線維について生化学的研究を行った結果、ルテニウム赤に染まる性格を持ち、免疫組織化学的にVI型コラーゲンであることがわかった。しかし、ラミニンについては、陰性であり、この線維中の存在の確認は出来なかった。さらに、この培養液中にラミニン溶液を添加した実験を行ったが、腫瘍中に観察されるFibrous long-spacing collagenと同様の構造は、観察されなかった。 神経鞘腫にコラゲナーゼ処理を行い、Fibrous long-spacing collagenが多く観察されるか調べたが、酵素処理によってもFibrous long-spacing collagenは、観察されなかった。しかし、何も処理していない神経鞘腫に多数のFibrous long-spacing collagenが観察される症例もあり、この両者の生化学的違いは、今後の研究課題であろう。また、神経鞘腫に観察されたFibrous long-spacing collagenの免疫組織化合的研究によってラミニンに対しては、強陽性に染まっているが、VI型コラーゲンに対しては、ほとんどが染まっておらず、近位の一部に陽性反応が観察された。
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