1994 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠に伴う内因性鎮痛に及ぼすCa^<++>拮抗薬の相乗効果と鎮痛機序の解明
Project/Area Number |
06671544
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 寛 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70223386)
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Keywords | 妊娠 / 内因性鎮痛 / カルシウムイオンチャンネル拮抗薬 |
Research Abstract |
SD系雌ラットの妊娠経過に伴ない疼痛域値が変化し、妊娠末期(分娩直前)には体性侵害刺激(tail-flick test)に対モルヒネなどのオピオイドによる鎮痛効果は種々のCa2+拮抗薬の投与により、その鎮痛効果が増強される可能性が知られている。本研究は妊娠に伴う内因性鎮痛に対してverapamilくも膜下の鎮痛効果を検討するため、体性侵害刺激(tail-flick test、輻射熱刺激装置、夏目製作所KN205E)を用いて疼痛域値推移を測定した。Ca拮抗薬verapamil 100μgおよび200μgを生理食塩水で溶解し総量10μlとしてくも膜下に投与した。疼痛域値の上昇は妊娠第7日、第14日には認められなかったが、第21日(分娩直前)には明らかな上昇が認められ、その変化はverapamilの投与量に依存性することが判明した。妊娠第21日(分娩直前)の% maximum possible effect(%MPE ; )(postdrug latency-baseline latency)/cutoff time-baseline latency)x100)は44,6±12.2であった。妊娠後期に内因性鎮痛機構が作動し、これに対してCa拮抗薬verapamilのくも膜下投与が体性侵害刺激に対し、相乗的に鎮痛をもたらすことが判明した。今後は、verapamilの投与量の詳細な検討および機序の異なる他のCa拮抗薬diltiazem,nicardipineでの検討実施中である。 今後、体性侵害刺激に対する反応ばかりでなく、他の侵害刺激(内臓性など)やnon-noxious刺激に対する反応が妊娠経過とともにどのように変化するかをも検索中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ohmori H,Iwasaki,H et al.: "Calcium channel blickers produce marked potentiation of local lidocaine sensory block." Anesthesiology. 81. A398- (1994)
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[Publications] 大森英哉、岩崎 寛、他: "各種鎮痛薬の体性痛および内臓痛に対する鎮痛効果 1.モルヒネと非ステロイド性消炎鎮痛薬の比較検討" 麻酔. 43. 1310-1313 (1994)
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[Publications] 岩崎 寛、他: "各種鎮痛薬の体性痛および内臓痛に対する鎮痛効果 2.モルヒネ、ブプレノルフィンおよびペンタゾシンの比較検討" 麻酔. 43. 1648-1652 (1994)
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[Publications] Omote K,Iwasaki H et al.: "Effect of verapamil on spinal anesthesia with local anesthetics." Anesthesia analgesia. 8D. 444-448 (1995)