1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨盤外科手術前後での膀胱尿道機能の変化に関する研究
Project/Area Number |
06671561
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 真也 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (80221240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信野 祐一郎 北海道大学, 医学部・付属病院, 講師 (70216232)
|
Keywords | 骨盤外科手術 / 尿道機能 / 膀胱機能 / 排尿障害 / 尿失禁 / ウロダイナミクス |
Research Abstract |
膀胱全摘後代用膀胱造設例、前立腺全摘施行例における膀胱尿道機能を検討した。Mainz式代用膀胱作成例では術後86%の症例で間欠導尿を要した。蓄尿機能については術後3ヵ月以降の膀胱内圧検査所見から、最大膀胱容量422ml、最大容量時内圧16cmH_2O、収縮波の圧差22cmH_2O、膀胱コンプライアンス28.5ml/cmH_2Oと良好な蓄尿機能を有することが示された。また蓄尿時の外尿道括約筋筋電図所見から、膀胱全摘-Mainz式代用膀胱症例においても膀胱-尿道収縮反射に相当する蓄尿機序が温存されているものと推察された。従って、低コンプライアンス膀胱の作成とともに、外尿道括約筋の損傷をさけることが、術後尿失禁防止のうえで重要であると思われた。根治的前立腺摘出症例では、全例で術後の尿排尿障害を認めなかった。蓄尿機能については76%の症例で術後平均4.5ヶ月までに尿失禁が消失した。膀胱内圧検査上最大膀胱容量は術後徐々に回復したが、膀胱コンプライアンスは術後6-12ヶ月で平均17ml/cmH_2Oと若干の低値を示した。一方、最大尿道内圧は術後1ヶ月で低値を示したが、3ヶ月で回復し、多くの症例では最大尿道内圧の正常化に伴って尿失禁の消失を認めた。従って、根治的前立腺摘出術においても外尿道括約筋の温存が術後の尿失禁防止のために重要であると思われた。
|