1995 Fiscal Year Annual Research Report
:尿路結石形成過程における蓚酸カルシウム結晶表面吸着物質(CSBS)の意義について
Project/Area Number |
06671588
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉岡 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (30191547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (70263291)
小角 幸人 大阪大学, 医学部, 講師 (30186639)
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Keywords | 蓚酸カルシウム / 結晶表面吸着物質 / 蛋白 |
Research Abstract |
CSBSより分画した蓚酸カルシウム結晶成長阻止能を有する蛋白のひとつがヒトプロトロンビンであることが前年度の研究で判明したが、抗体作製に必要な蛋白量の確保が困難であることおよびCSBS中には他にも同阻止能を有する蛋白が存在すると考えられたため、実験計画を変更し、CSBS中に含まれる蛋白成分の同定およびそれらの蓚酸カルシウム結晶成長阻止能の可能性について検討した。 1.CSBSからDEAE-Sepharose CL-6Bによるイオン交換クロマトグラフィーで蓚酸カルシウム結晶成長阻止能を有する蛋白分画を得、さらにhydroxyapatiteによるイオン交換クロマトグラフィーで分画化し、ヒトプロトンビン以外にも蓚酸カルシウム結晶成長阻止能を有する蛋白が存在することを確認した。特に125mMリン酸ナトリウムで溶出される分画は数種類の蛋白を含むが、極めて強い蓚酸カルシウム結晶成長阻止能を示した。 2.上記の手法で約67kDaの、比較的弱い蓚酸カルシウム結晶成長阻止能を有する蛋白を分離し、そのアミノ酸分析からオステオポンチンであることが判明した。 3.CSBSにはalbumin,α1-acid glycoprotein,α1-microglobulin,α2-HS glycopotein,retinol-binding protein,transferrin,Tamm-Horsfall mucoproteinが存在することがWestern blotにて確認された。これらの蛋白は尿路結石の基質中に含まれる、あるいは尿路結石形成に関与する可能性があると報告されている蛋白であるが、これらは上記の125mMリン酸ナトリウムで溶出される分画の強い蓚酸カルシウム結晶成長阻止能に直接関与する可能性は低いと考えられる。
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