1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671596
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩田 英信 愛媛大学, 医学部, 助教授 (40108379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 雅好 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50116993)
濱田 斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (30243794)
伊勢田 徳宏 愛媛大学, 医学部, 助手 (50260386)
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Keywords | 尿蛋白 / 腎癌 / 腎尿細管 / モノクローナル抗体 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
正常人尿蛋白からアフィニティカラムを用いて血漿由来の蛋白を除去したものを抗原としてBALB/cマウスを免疫し、膵細胞をミエローマ細胞と細胞融合した。ヒト正常腎組織の凍結切片を用いた間接蛍光法によってスクリーニングを行い、尿細管と反応するモノクローナル抗体(mAb)を産生する5種類のハイブリドーマ(UP70,UP393,UP509.UP599.UP720)が得られた。 主として遠位尿細管と反応:UP393,UP599,UP720 遠位および近位尿細管と反応:UP509 遠位尿細管と反応:UP70 このうち主として遠位尿細管と反応する3種類のmAbだけが、ホルマリン固定パラフィン切片でも反応したので、最も染色体が安定していたUP720の培養上清を用いて腎細胞癌組織の染色性を検討した。 腎細胞癌29例のABC法による染色では、癌細胞の細胞質全体が顆粒状に染色されるものと、管腔面(細胞表面)が濃く染色されるものの2通りの染色性がみられ、検討した腎細胞癌症例29例中18例(62.1%)が陽性であった。 組織学的細胞型でみると、淡明細胞亜型13例中8例(61.5%)、顆粒細胞亜型7例中4例(57.1%)、混合亜型6例中6例(100%)が陽性であった。組織学的異型度でみると、G1 7例中4例(57.1%)、G2 16例中13例(81.3%)、G3 6例中2例(33.3%)が陽性であった。 腎細胞癌以外の腫瘍の染色では、尿路上皮癌4例中2例(50%)、前立腺癌2例中0例(0%)、卵巣癌3例中3例(100%)、胃癌6例中4例(66.7%)、子宮頚癌2例中1例(50%)、上顎癌1例中1例、皮膚癌1例中1例、死亡肉腫1例中0例、横紋筋肉腫1例中0例が陽性であった。腎細胞癌以外の上皮性悪性腫瘍でも陽性結果が得られたことからmAbUP720の認識する抗原の臓器特異性は低いが、複数臓器の癌の腫瘍マーカーとなりうる可能性がある。
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