1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671596
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩田 英信 愛媛大学, 医学部, 助教授 (40108379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 雅好 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (50116993)
濱田 斉 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (30243794)
伊勢田 徳宏 愛媛大学, 医学部, 助手 (50260386)
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Keywords | 尿蛋白 / 腎癌 / 腎尿細管 / モノクローナル抗体 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
UP720の認識する抗原が腎細胞癌の血中腫瘍マーカーとなりうるか検討するため以下の研究を行った。 1.UP720の認識抗原の解析:尿蛋白を電気泳動したのちイムノブロッティングしてUP720と反応させたところ、分子量200kD付近にバンドが得られた。このバンドはクマジブルーでは染色されなかった。 正常人と腎細胞癌患者の血清をイムノブロッティングしUP720と反応させたところ、分子量200kD付近のバンドは認められず血中の抗原濃度はかなり低いと考えられた。 2.モノクローナル抗体(UP720)およびその認識抗原の精製:ハイブリドーマをBalb/cマウスの腹腔内に注射し、抗体を高濃度に含む腹水を得た。プロテインAカラムによって抗体を精製しその一部をペルオキシダーゼ標識した。 精製したUP720を固定したアフィニティーカラムを作製し、溶出条件を変えて何度も抗原の溶出を試みたが今までのところ抗原の溶出には成功していない。しかしイムノブロッティングの結果、抗原の分子量がかなり大きいことが判明したので、分画分子量300kDの限外濾過膜を用いて尿中高分子分画を得、陰イオン交換カラムによる粗精製を行った。さらにハイドロキシアパタイトカラムによる精製を試みている。 3.ELISA法による腎癌患者血清中の抗原量の測定:UP720の認識する抗原は糖鎖を多く含む抗原である可能性が高く、複数の同じ抗原決定基を有している可能性があると考えられたので、粗精製の抗原を標準とし、1次抗体2次抗体ともUP720を用いたサンドウィッチELISAを試みたところ、血清中の抗原濃度が測定可能であった。限られた範囲の測定結果では、腎癌患者血清の方が正常人血清より高値を示す傾向にある。
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