1994 Fiscal Year Annual Research Report
フィブロネクチンを介する膀胱癌細胞とBCGとの関係が抗腫瘍作用に与える効果の研究
Project/Area Number |
06671620
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
黒田 加奈美 東邦大学, 医学部, 助手 (70192044)
|
Keywords | 膀胱癌 / BCG / マクロファージ作用 |
Research Abstract |
膀胱腫瘍細胞のBCGに対するマクロファージ様の作用についての検討を行った。 貪食能についてはin vitroにおいては確認されているので、in vivoでも同様の作用があるのかどうかみる目的で、0.05%BBN(N-butyl-N nitrosamine)水溶液を飲水させ、膀胱癌を誘発したWistar系雄ラットを使用した。ネンブタール麻酔下でBCGを膀胱内に注入し、3時間膀胱内に留置した。その後、用手的にBCGを膀胱より排出させ、続いて固定液を心臓灌流し膀胱を固定した後に摘出した。摘出膀胱の上皮細胞を電子顕微鏡(SEM,TEM)にて検索し、細胞内・外のBCGの検討を行ったところ、ラットの膀胱上皮には腫瘍部位、健常部位ともに、細胞内に取り込まれたBCGを確認することができなかった。これは、ラットのBCGに対して感受性の低いことも原因の一つとして考えられ、BCGの治療モデルとしてラットが適切でないことが示唆された。しかし、今回は発癌後かなり経過し腫瘍が膀胱の大半を占めてしまっているラットを使用したため、BCGを十分膀胱内に止めて置けなかったので、BCGと膀胱上皮細胞の接触が不十分だった可能性も否定できず、もう少し腫瘍が小さい段階での同実験を行う予定である。 又、BCGに対する貪食作用の確認されている3種類の膀胱癌細胞株(KK47,T24,J82)をBCGとともに培養した時の癌細胞表面のHLA-DR,ICAM-1の発現率に差があることから抗原提示力の差が示唆された。一方、サイトカイン分泌能にも細胞株間での差があると考えられ検討中である。
|
Research Products
(1 results)