1995 Fiscal Year Annual Research Report
フィフィブロネクチンを介する膀胱癌細胞とBCGとの関係が抗腫瘍作用に与える効果の研究
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06671620
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
黒田 加奈美 東邦大学, 医学部, 助手 (70192044)
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Keywords | 膀胱癌細胞 / マクロファージ様作用 / BCG / Degradation / Internalization |
Research Abstract |
膀胱癌細胞のマクロファージ様作用についての検討を行った。 実験1.In vivoにおけるBCG internalizationについて BBNにてWistar系ラットに膀胱癌を誘発させ、ネンブタール麻酔下で膀胱内にBCGを注入し3時間膀胱内に把持させた後、用手的にBCGを排出させた。続いて固定液を心臓灌流し膀胱を固定した後に摘出し、その上皮細胞を電子顕微鏡(SEM、TEM)にて検索した。ラットの膀胱上皮には腫瘍部位、健常部位ともに細胞外に接触するBCGを認めるものの、細胞内に取り込まれたBCGは認められなかった。この所見は腫瘍サイズには関係なかった。これはラットのBCGに対する感受性の低いことと関係あると考えられ、ラットはBCGの治療モデルとしては適当ではないことが示唆された。 実験2.In vitroにおけるBCG degradationについて 75cm^2組織培養用フラスコ内でmonolayerの約70%となったT-24細胞に7.5×10^5CFUのBCGを加え37℃、5%CO_2下で3時間incubateす。余分なBCGを充分に洗い出した後、トリプシン・EDTA溶液でフラスコより腫瘍細胞を遊離させると同時に、細胞外に接着のみしているBCGを剥がす。続いてFicoll-Hypaqueにて比重分離法を用いて腫瘍細胞と剥離されたBCGを分離し細胞のみを採集す。一つのフラスコ分の細胞にのみ0.25%SDSを加え腫瘍細胞壁を破壊し細胞内に取り込まれたBCGを細胞外に放出させ、次に5%BSA液でSDS液を中和させた後に小川倍地で培養しコロニー数を算出す。他のフラスコ分の細胞は抗生剤を除いた培養液を加えた新しいフラスコに戻し、24時間ごとに前述のごとく細胞内BCGを放出させコロニー数を数えた。0時間、24時間、48時間まで観察可能であったが、T-24細胞、BCGともに経時的に増殖を示し、腫瘍細胞内でのBCGのdegradationの所見は得られなかった。今後さらに培養時間を延ばしての観察と細胞外のBCGを除外することが必要と思われた。
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