1995 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤における主要組織適合抗原の特異的発現抑制の生物学的意義
Project/Area Number |
06671628
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長田 久夫 千葉大学, 医学部, 助手 (30233505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 宗英 千葉大学, 医学部, 教授 (00092065)
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Keywords | 胎盤 / 主要組織適合抗原 / トランスジェニックマウス / トロフォブラスト / 妊娠 |
Research Abstract |
前年度と同様に,ヒトc‐fos遺伝子,あるいはβ‐actin遺伝子のregulatory領域とH‐2K^b遺伝子のcording領域から構成される合成遺伝子を用いてマイクロインジェクションを行い,さらにファウンダーマウスの作成を続けた.これらのファウンダー雄マウスをH‐2K^b陰性雌マウスと順次交配したが,胎仔の拒絶を示す現象は観察されず,トランス遺伝子陽性と陰性のF_1がほぼ同数出生した.また,トロフォブラスト細胞におけるH‐2K^bmRNAの存在の有無を検証するため,H‐2K^b特異的sequenceをprimerとしてin situ primer extension解析を行った.経日的に胎盤組織を検索したが,H‐2K^bmRNAの存在は認められなかった. ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)遺伝子は,妊娠初期よりトロフォブラスト細胞が合成分泌する妊娠特異的ホルモンである。上記の合成遺伝子では胎盤にH‐2K^bが発現されない可能性を想定し,hCG‐β鎖遺伝子5′側のregulatory elementを含む領域とマウスH‐2K^b遺伝子のcording領域からなる新たな合成遺伝子を構築した.現在これを用いてトランスジェニックマウスの作成中であり,今後そのファウンダーマウスについて同様のスクリーニングを行なう予定である.
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