1994 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中毒症の胎盤組織におけるbasic FGFの生成異常および制御異常に関する研究-微視的な分析を中心として-
Project/Area Number |
06671635
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
安水 洸彦 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80107705)
|
Keywords | 妊娠中毒症 / basic FGF / apotosis / DNA Nick end labeling / BM-1 / JIMRO抗体 / fibronectin |
Research Abstract |
I 胎盤組織におけるbasic FGFの生成異常および制御異常に関して 1.bFGF monoclonaI抗体による免疫組織染色による胎盤組織中bFGFの局在,DNA Nick end labeling法による絨毛細胞のapotosis発生の観察は,パラフィン切片でも十分可能なことが判明した。 2.DNA Nick labeling法により,胎盤絨毛細胞にはapotosis細胞が存在すること,また連続切片による分析からapotosis関連抗LeY抗体 BM-1/JIMRO陽性細胞とDNA Nick end labeling染色陽性細胞の局在が合致することが判明した。 3.胎盤組織中のbFGF量は,母体の臨床症状より胎児,胎盤の発育状況に相関が強いという結果を得た。 4.bFGF receptor量の測定法は測定値の再現性に問題があり,まだ組織内量の測定に至っていない。現存の方法はこの研究の目的を満たすには不十分と思われる。 II 妊娠中毒症の診断および病状の客観的判定に関して 妊娠中毒症はその診断の客観性が不十分なため,基礎的検討が困難であることが指摘されている。そこで,中毒症病態マーカーとして血漿フィブロネクチン(P-FN)値の有用性を臨床的に検討した。その結果,P-FNの上昇が中毒症の発症予知と診断に,その絶対値が中毒症の重症度に相関することから,P-FNの中毒症マーカーとしての臨床的有用性が示された。これは,中毒症の予防・管理のうえで有意義な知見と考えられる。
|
-
[Publications] T.Yasumizu.: "Trial of vaginal birth following cesarean section for arrest of labor." Asia-Oceania J Obstet Gynaecol.20. 407-413 (1994)
-
[Publications] T.Yasumizu.: "Trial of labor in the patients with prior cesarean section." Yamanashi Med J.8. 113-119 (1994)
-
[Publications] T.Yasumizu.: "Clinical evaluation of plasma fibronectin levelas a biomarker of preeclampsia." Asia-Oceania J Obstet Gynaecol.21(掲載予定). (1995)
-
[Publications] T.Yasumizu.: "Primary squamous cell carcinoma of the ovary associated with primary adenocarcinoma of the fallopian tube." Yamanashi Med J.9. 115-118 (1994)
-
[Publications] 安水洸彦: "妊娠中毒症の病態およびその予知に関する臨床生化学的アプローチ." 妊娠中毒症学会雑誌. 4(掲載予定). (1995)
-
[Publications] 安水洸彦: "胎児発育・成熟とその異常" メヂカルビュー社, 188 (1994)