1994 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンの子宮内膜癌発生作用におけるEGF,TGFα-EGFRの役割の検討
Project/Area Number |
06671673
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 恒男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60179497)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多賀 理吉 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00107682)
|
Keywords | エストロゲン / 子宮内膜 / EGF / TGF-_α / EGFレセプター |
Research Abstract |
17日令雌マウスにE_2あるいはDES100μg/kgょ3日間注射した子宮腔内液を採集し、EGFならびにTGF_αをRIAにて測定した。TGF_αの濃度はEGF濃度の約30倍の高濃度認められた。Western blot analysis においても、やはり高濃度のTGF_αの存在が確認された。一つのreceptorにEGFとTGF_αという二つのligandが存在する意味は不明であり、この解明は今後の課題と思われるが、より高濃度のTGF_αが存在することは何らかの意味を持つものと考えられる。Northern blot analysisではエストロゲンによるdose-dependentなtranscriptの増加、6時間以内のmRNAの発現がみとめられた。プロゲステロン、dihydrotestosteron,dexmethasoneでは変化は認められず、エストロゲンに特異的であることが明らかとなった。遺伝子発現のcell typeの検討では上皮に著しい発現を認めた。免疫組織化学による検討でもエストロゲン投与後3時間から上皮に強いTGF_α蛋白の発現を認めた。またTGF_α抗体を投与することにより、エストロゲンによるDNAの合成抑制が認められ、エストロゲンの作用機構にTGF_αが関与していることを強く示す結果が得られた。子宮膜分画とEGFをincubateした実験ではreceptorのリン酸化が認められ、functional receptorの存在が確認された。TGF_αはエストロゲンによるマウス子宮への作用のautocrine/paracrine mediatorであり、このreceptor pathwayは子宮の増殖・分化の重要な調節機構であることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takahashi,T: "Transforming growth factor β_1,β_2 and β_3 messenger RNA profein expression in mouse uterus and vagina during estrogen-induced growth" Cell Growth & Differ.5. 919-935 (1994)
-
[Publications] 高橋恒男: "マウス子宮膣におけるTGFβ_<1,2&3>の発現の検討" 日内分泌誌. 70. 717- (1994)
-
[Publications] 高橋恒男: "マウス子宮膣におけるエストロゲン(E)調節遺伝子の発現検討" 日産婦誌. Suppl.S404- (1995)