1995 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンの子宮内膜癌発生作用におけるEGF,TGFα-EGFRの役割の検討
Project/Area Number |
06671673
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 恒男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60179497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多賀 理吉 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00107682)
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Keywords | エストロゲン / 子宮内膜 / EGF / TGF-α / EGFレセプター |
Research Abstract |
子宮に対するエストロゲンの作用がEGF/TGFα-EGFレセプターの機構を介していることを明らかにしてきた。さらに遺伝子レベルでのエストロゲンの作用の生物学的regulatorを検討するためエストロゲン調節遺伝子の発現を検討した。TGFα,IGF-1 mRNAはエストロゲン投与後3-6時間をピークに発現し、24時間まで持続を示した。(=早発持続性発現)。TGFβ1,2は3時間以内に発現の増加を認めたが6時間までにコントロールレベル(以下)に低下した(=早発一過性発現)。TGFβ3は1時間での急速な発現増加を示し、6時間までにコントロールレベル(以下)に低下した(=早発一過性発現)。c-myc遺伝子は30分で明らかな発現をみとめた(=超早発一過性発現)。プロゲステロン遺伝子は3時間までに持続性の発現を(=早発持続性発現)、ラクトトランスフェリンは24時間の遅発性発現を示した。BrdUrdの核内取り込みを見ることによるDNAの合成の検討では、そのピークはエストロゲン投与後16時間であった。この16時間の組織でTGFαの免疫組織化学による蛋白発現を見ると、上皮の強い蛋白の発現を認めた。これらの研究より、マウス子宮におけるエストロゲンの作用機構は、EGFやTGFαの他に種々の成長因子、癌遺伝子の発現を引き起こし、これらが複合的に増殖・分化のmediatorとして働くことによることが示唆された。
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Research Products
(2 results)