1995 Fiscal Year Annual Research Report
閉経と卵巣全摘出による骨粗鬆症の病態差に関する研究-動物モデルおよびin vitroによる解析-
Project/Area Number |
06671684
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 博明 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70090008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 到 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255513)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨代謝 / エストロゲン / 卵巣摘出 / 骨髄造血 / Bリンパ球 / 間質細胞 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
【目的】マウスに卵巣摘出術(OVX)を施し,エストロゲン(E)が低下すると,骨量減少とともに骨髄造血が刺激され,骨髄中の有核細胞数が著しく増加する。そこで,OVXに伴い増加する骨髄細胞の質的変化を調べることにより,Eが骨代謝にいかなる影響を及ぼすか検討することを目的とした。【方法】8週齢雌性ddyマウスにShamまたはOVXを施し,OVX群の一部には17β-estradi ol (E_2)のペレット(10μg)を皮下移植した。術後,経時的に脛骨より骨髄細胞を採取した。造血細胞の特異的表面抗原マーカーの発現をB220 (B細胞系)などのモノクローナル抗体を用い,フローサイトメトリーにて解析した。また,骨髄間質細胞に依存したBリンパ球の増殖・分化を調べるため,骨髄間質細胞株ST2上で骨髄細胞を共存培養することにより,B220陽性B細胞の増殖・分化に対するE_2の作用を解析した。【結果】(1)術後2週目より,OVX群では骨髄有核細胞数の増加が認められた。OVXにより骨髄細胞のB220陽性率の上昇とMac-1(骨髄球全般)およびGr-1(顆粒球系)陽性率の低下が認められた。また,B220陽性B細胞のフローサイトメトリーパターンに変化が認められ,膜表面IgM陰性の未熟なB細胞の増加が観察された。(2)術後2週の骨髄における各表面抗原陽性細胞数を比較すると,B220陽性細胞数に限って顕著な増加が観察された。(3) OVXによる上記の骨髄細胞の量および質的変動はE_2の補充投与により回復した。(4) ST2細胞と骨髄細胞の共存培養系において,E_2はB細胞の増殖・分化を著明に抑制した。(5)正常雌性マウスにE_2を投与してE過剰にすると,7日後,骨髄B細胞が著しく減少した。【考察・結論】OVXマウスでは骨髄造血が刺激され,未熟なB細胞が増加する。またEはB細胞の増殖・分化を著明に抑制する。骨吸収は骨髄造血に影響されると考えられることより,Eの欠乏による骨髄造血の変化は骨代謝の変動をきたすことが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hiroaki Ohta: "A retrospective attempt to determine screening parameters to predict decreases in L_<2-4> bone mineral density" The Journal of the Japan Menopause Society. 3. 203-210 (1995)
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[Publications] 太田博明: "閉経後骨粗鬆症とホルモン補充療法" 産婦人科の実際. 44. 199-208 (1995)
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[Publications] 太田博明: "各種ステロイドホルモンの骨代謝" CLINICAL CALCIUM. 5. 459-466 (1995)
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[Publications] 太田博明: "進行期骨粗鬆症" 産科と婦人科. 62. 277-284 (1995)
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[Publications] 太田博明: "閉経後骨粗鬆症-エストロゲンの低下と骨吸収の亢進を中心に-" 医学のあゆみ. 175. 131-135 (1995)
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[Publications] Yoshiko Onoe: "IL-13 and IL-14 inhibit bone resorption by suppressing cyclooxygenase-2-dependent prostaglandin synthesis in osteoblasts" The Journal of Immunology. 156. 758-764 (1996)
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[Publications] 太田博明: "骨代謝マーカー" メディカルレビュー社, 282 (1995)