1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト早期妊娠因子のアミノ酸構造解析と生物活性の研究
Project/Area Number |
06671687
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90162833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋場 剛士 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60245553)
浅田 弘法 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60231883)
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80169987)
小林 俊文 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30051460)
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Keywords | EPF / ロゼット抑制反応 / SDS-PAGE / 糖タンパク / Western blot / Thioredoxin / 逆相HPLC / Chaperonin 10 |
Research Abstract |
妊娠早期、とくに着床以前の超早期(受精後48時間以内)に出現し、second trimesterまで持続して検出される糖タンパクである初期妊娠因子early pregnancy factor (EPF)の本態を追求するために完全精製を試みてきた。EPFの完全構造解析のために、これまでに抽出したタンパクから、とくにペプチドのC末端アミノ酸配列を決定し、さらにこの物質の妊娠成立機構を含めた生体内での役割を解明することが本研究の目的である。最近、Clarke et al.によってヒト胎盤の抽出液から精製し、N末端のアミノ酸6残基の配列がThioredoxin (ADF)に一致していたことを報告したため、これまでに我々が精製したタンパクとの相同性について検討し、生化学、生物活性、免疫的にも全く異なる物質であることを証明した。また、EPFの発見者であるMorton, H.は、我々が精製したタンパクに、生化学的特性の極めて類似したタンパクChaperonin 10相同タンパクを抽出し、Clarke et al.の抽出したタンパクとは同様に異物質であることを確認した。 逆相HPLCによる抽出分画がTrifluoroacetateの処理によってロゼット抑制反応におけるEPF生物活性が失活するため、SDS-PAGEのbandからの切り出し抽出物質を再度逆相HPLC分析した結果との比較より、N末端の13残基のアミノ酸構造解析に成功した。しかし、リジン切断法によるC末端側のアミノ酸構造解析は量的問題とリジン末端の可能性から分析が困難となった。 そこで現在、従来の抽出法に加え抗体によるアフィニティカラムおよび高感度Western blot法により再度大量抽出を試み、さらに機能の向上したペプチド配列分析機を用いて分析を進行中である。
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[Publications] 久慈直昭: "新しいhCG検出試薬オ-ラテックhCGの臨床的検討" 産婦人科の実際. 43. 1865-1871 (1994)
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[Publications] 末岡浩: "高感度ヒト絨毛ゴナドトロピン測定EIAキット;(HCG)「SRL」の基礎的検討および早期妊娠診断への臨床応用" 医学と薬学. 33. 273-278 (1995)
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[Publications] 末岡浩: "受精および初期胚環境としての卵管内病態の検討-卵管鏡下卵管形成システムを用いて" 日本受精着床学会雑誌. 12. 85-88 (1995)
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[Publications] 黒島正子: "Minimal damage embryo biopsyの技術的検討" 日本受精着床学会雑誌. 13 (in press). (1996)
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[Publications] 橋場剛士: "着床前受精卵の性分析に関する研究-Capillary PCR法を用いた迅速な性分析法の開発-" 日本受精着床学会雑誌. 13 (in press). (1996)
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[Publications] 末岡浩: "卵管-基礎から臨床まで-" 南山堂, 179-184 (1995)
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[Publications] 末岡浩: "卵管-基礎から臨床まで-" 南山堂, 207-214 (1995)