1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症とビタミンDレセプター遺伝子多型の関連についての研究
Project/Area Number |
06671688
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
三橋 直樹 順天堂大学, 医学部, 助教授 (60114667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深間内 一孝 順天堂大学, 医学部, 講師
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Keywords | 骨粗鬆症 / ビタミンDレセプター / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
最近白人におけるビタミンDレセプターの遺伝子に遺伝子多型が存在し、骨密度と関連があることが報告されている。今回の研究はそのような遺伝子多型が日本人にも存在するかを検討することを目的とした。研究に同意した228名の健康な日本人女性からリンパ球を採取し、これからゲノムDNAを抽出した。このDNAからビタミンDレセプター遺伝子をPCR法で増幅した。PCR産物を制限酵素であるTaqI、BsmI、ApaIにより切断した。それぞれの制限酵素で切断される対立遺伝子をt,b,aとし、切断される遺伝子をT,B,Aとした。遺伝子型tt,Tt,TTの出現頻度はそれぞれ1.8%,20.7%,77.5%であった。遺伝子型BB,Bb,bbの出現頻度はそれぞれ1.8%,20.7%,77.5%であり、これは遺伝子型tt,Tt,TTの出現頻度に一致していた。また遺伝子型aa,Aa,AAの出現頻度はそれぞれ40.9%,49.6%,9.1%であった。このように日本人女性においても白人と同様にビタミンDレセプターの遺伝子多型が存在することがあきらかになった。しかし白人で報告されている遺伝子の出現頻度はBB,Bb,bbがおよそ22%,50%,28%であり、われわれの検討対象での結果とかなり異なっていた。したがってビタミンDレセプターの遺伝子多型については人種差があることが予想される。また白人においてはBB型の遺伝子をもつものは骨密度が少ないハイリスクであるとされているが、日本人ではこのハイリスクのものは少ないことが予想された。
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