1994 Fiscal Year Annual Research Report
胎児発育におけるIGFBP-1の燐酸化の意義の研究
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06671692
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岩下 光利 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30124936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 啓治 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30260962)
工藤 美樹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80241082)
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Keywords | 胎児発育 / IGF / IGF結合蛋白 / 燐酸化 |
Research Abstract |
ラット胎仔血中燐酸化IGFBP-1の発現 妊録ラットを妊娠12日、15日、17日、19日目で屠殺し、胎仔血の燐酸化・非燐酸化IGFBP-1をHPLCのイオン交換クロマトグラフィーで分離し、各分画のIGFBP-1の免疫活性をEIAで測定した。1つの非燐酸化と4つの燐酸化IGFBP-1のピークが同定された。同じく、胎仔血を非還元下にポリアクリラマイド電気泳動で分離し、immunoblotを行うと5つのバンドが同定され、イオン交換クロマトグラフィー上の各ピークに対応することが判明した。 胎内発育遅延ラット胎仔における燐酸化IGFBP-1の発現( 妊娠ラット母体を飢餓にして胎内発育遅延胎仔を作成し、胎仔血中の燐酸化・非燐酸化IGFBP-1を上記の方法で解析し、正常発育胎仔と比較した。その結果、燐酸化IGFBP-1の比率が胎内発育遅延胎仔では増加しており、胎仔発育に燐酸化IGFBP-1が関与していることが推測された。 ヒト胎児臍帯血中燐酸化IGFBP-1の妊娠週数による推移の解析 正常満期産児と満期産胎内発育遅延児の臍帯血中燐酸化IGFBP-1はラット胎仔と同じく、1つの非燐酸化と4つの燐酸化IGFBP-1が認められ、燐酸化IGFBP-1の比率が胎内発育遅延児では増加しており、ラットと同じくヒトでも胎児発育に燐酸化IGFBP-1が関与していることが推測された。 燐酸化・非燐酸化IGFBP-1のIGF-Iに対する結合親和性の検討 羊水中の燐酸化・非燐酸化IGFBP-1を上記のイオン交換クロマトグラフィーで分離し、これを用いてIGF-Iの結合阻止実験からIGF-Iに対する結合親和性を解析すると、燐酸化IGFBP-1は非燐酸化型より数倍IGF-Iに対する親和性が高いことが明らかとなった。
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