1995 Fiscal Year Annual Research Report
音刺激による内耳液及び内耳組織における蛋白組性の変化に関する研究
Project/Area Number |
06671704
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 邦明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70197135)
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Keywords | 内耳液 / 30kD蛋白 / CSF / HSP / 免疫泳動法 / 内耳組織 |
Research Abstract |
1)内耳液の存在は、内耳における音刺激の伝達や音知覚に必要なエネルギーの供給、感覚細胞の保護といった様々な重要な役割を担っている。今回、我々は、外リンパ液中に特異的に多く存在するね30kD蛋白について、定量的二次元電気泳動法、免疫電気泳動法等を用い、その性状及び意義を明らかにした。30kD蛋白は産制領域に存在する数個のスポットとして2-Dゲル上に認められる。本蛋白は、CSFにも認められるが、正常動物と音刺激動物のあいだに、その含有量の変化には有意差は認められなかった。 本蛋白は、糖蛋白1種であるが、外リンパ液んい特徴的に多く存在することが明らかとなった。 2)内耳組織中のHSPの発現 防音質にて、動物に2000Hz純音120dBにて30分、音響負荷を加える。直ちにモルモットを麻酔、断頭し内耳骨胞を摘出、直ちに人工内リンパ液中にて、蝸牛より内耳組織を、コルチ器、血管条、基底板に分離し採取、湿重量測定。70kDのHSPについて、免疫電気泳動法により、定量的にその発現を内耳組織の部位別に分析した。 内耳液中には、HSPの発現は認められなかったが、内耳組織中、特に有毛細胞層とSpiral Iigamentには明らかに、70kD HSPの発現を認めたる。 この発現の程度は、熱刺激のみならず、大変興味深いことには、音刺激によっても有意に大きくなり、免疫泳動法により、その有意差を定量的に明らかにすることができた。 この事実は、内耳組織の防御と再生にHSPが何らかの関与を示すものとして、大きな興味が持たれるところである。
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