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1996 Fiscal Year Annual Research Report

経粘膜的ガス交換による中耳腔換気機構に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 06671739
Research InstitutionKANSAI MEDICAL UNIVERSITY

Principal Investigator

多田 直樹  関西医科大学, 医学部, 助手 (00257932)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金子 明弘  関西医科大学, 医学部, 助手 (00247909)
久保 伸夫  関西医科大学, 医学部, 講師 (70186435)
Keywords中耳腔圧調節 / 経粘膜的換気 / 滲出性中耳炎
Research Abstract

中耳腔の圧を大気圧に近い状態に保つことは、正常な聴覚の保持にとって重要である。中耳腔圧調節には、経耳管的換気に加えて経粘膜的換気もその役割の一端を担っていると考える。
今回の対象は中動物(ネコ)、ヒト正常例及びヒト滲出性中耳炎例とした。測定方法は、外耳道を密閉し、各種の酸素分圧を有するガスで鼓膜穿孔を通して中耳腔を置換した。その後,中耳腔内の全圧の変化及び酸素分圧の変化を測定した。
結果及び考察は、
1.ネコについて;どのガスを負荷しても中耳腔内の全圧及び酸素分圧は、変化しなかった。このことより、ネコがヒトとは異なる圧調節機構が存在している可能性が高いと考えた。
2.ヒト正常例について;各種ガスの酸素分圧を高くするにしたがって、中耳腔粘膜への酸素吸収量が増加した。また、95%酸素と5%二酸化炭素の混合ガスを中耳腔に負荷したときには、中耳腔内の全圧はほとんど変化しなかった。これらのことより、中耳腔の経粘膜的ガス交換は、置換するガスと中耳腔に存在する窒素、酸素、二酸化炭素の各分圧差とその拡散能によって規定されると考えた。
3.ヒト滲出性中耳炎例について;95%酸素と5%二酸化炭素の混合ガスを中耳腔に負荷したとき、正常例と比較して、中耳腔内の全圧は陰圧化した。さらに、酸素分圧を測定することにより、中耳腔粘膜への酸素吸収量も正常例より増加していた。すなわち、滲出性中耳炎例の中耳腔では、酸素吸収の亢進が起こっていることが推測された。
これらの結果は論文投稿が予定されている。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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