1994 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病における連鎖球菌の関与および免疫異常に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06671746
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小竹 聡 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00186694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 浩二 北海道大学, 医学部, 助手 (00250431)
|
Keywords | ベーチェット病 / 連鎖球菌 / クローニング / ぶどう膜炎 / 免疫反応 |
Research Abstract |
ベーチェット病患者由来Streptococcus sanguisから菌体DNAを抽出し、制限酵素で切断ののちλgt11ベクターにクローニングし、ライブラリーを作成した。このライブラリーより患者血清を一次抗体、抗ヒトIgGおよびIgM抗体を二次抗体とするイムノスクリーニングを行い陽性クローンを得た。このDNAは約1.5kbpの大きさであり、Western blot法によりDNAの発現する蛋白は分子量33-35kDaであった。そこでこの得られたDNAの塩基配列の同定を試みた。まず単離したDNAのサブクローニングを行い、λgt11ベクターに入った菌体由来DNAを増幅後、EcoRIで切り出し、プラスミドpUC118に挿入した。この後、プライマー伸長法により、全塩基配列を決定した。その結果、1.5kbpの塩基配列の中にATGで始まるふたつのopen reading flame(ORF)と考えられる部分が存在しており、それぞれ590bpと950bpの大きさであった。Western blot法より抗原蛋白は分子量33kDa以上であったが、後者のORFはそのアミノ酸配列から推定して約34kDaの蛋白をコードしていると考えられ、また、16b上流にShine-Dalgarno配列を有していることから、後者のORFが抗原蛋白を発現している可能性が高いと考えられる。このORFはストップコドンを持たないままプラスミドのDNAに移行しており、ライブラリー作成時に使用したEcoRIで下流部分が切断されていると考えられた。すなわち菌体の中ではもっと大きなORFからなっており、もっと大きな蛋白が抗原として働いている可能性がある。そこで今後はさらに下流領域を調べるため、菌体DNAをEcoRI以外の制限酵素で切断してDNAライブラリーを作成し、これまでにわかっている配列を元にして作った標識プローブを用いてスクリーニングを行っている。さらにこの抗原をベーチェット病患者リンパ球との反応を中心にエピトープレベルで解析する予定である。
|