1995 Fiscal Year Annual Research Report
実験的眼新生血管に対するインターフェロンβの治療効果
Project/Area Number |
06671781
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
三木 弘彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (30077771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 基麿 関西医科大学, 医学部, 助手 (40164199)
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Keywords | インターフェロンβ / 虹彩新生血管抑制作用 / 家兎 / 前眼部虚血 / 免疫染色 |
Research Abstract |
目的:眼内に新生血管が発生する糖尿病網膜症、加齢性黄斑変性症、血管新生緑内障等の眼疾患は、放置すれば視力喪失へと進展してゆく。現在、有効な治療としてレーザー光凝固があるが、眼内組織を破壊するため成功しても高度な視機能障害を残す。有効な薬剤治療が待たれている。 インターフェロンは新生血管抑制作用があることが分かり、臨床応用が検討されている。今回、インターフェロンの虹彩新生血管抑制作用を実験動物で検討した。 実験方法:ウサギの両側の長後毛様動脈を閉塞して、前眼部虚血を起こすと、3日-5日目から、10日-14日目にかけて虹彩新生血管が発生し、進展してゆく。この前眼部虚血後の虹彩新生血管発生動物モデルを用いた。 インターフェロンβ3mU/kg/日を、前眼部虚血処理直後より、毎日1回、筋肉内注射を行った。所見が安定する10日目と15日目の光学顕微鏡の組織所見で新生血管の発生の程度を評価した。また、血管内皮細胞が増殖状態にあるのを評価するために、10日と15日目にBrdU 50mg/kgを静脈内注射10分後に摘眼し、免疫組織標本を作成し、BrdU陽性細胞を観察した。 結果:対照群(インターフェロン非投与群)は、虹彩実質には再疎通した血管が著明に拡張しており、虹彩表面に突出した新生血管が発生していた。また、前房隅角部付近にも多数の新生血管が発生していた。インターフェロン投与群では、虹彩表面に新生血管は無く、前房隅角付近では少数の新生血管が存在していた。しかし、虹彩実質の再疎通血管は同時に存在していた。BrdU免疫染色でも同様の所見を示した。 結論:インターフェロンβは、虹彩表面および前房隅角付近の新生血管の発生を抑制する効果がみられた。しかし、組織修復・再生に必要な再疎通血管の形成には影響を与えなかった。
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