1994 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域の感覚及び運動に関与する脳幹一酸化窒素合成ニューロンの機能形態学的研究
Project/Area Number |
06671809
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹村 元秀 大阪大学, 歯学部, 講師 (70192169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 講師 (70124534)
|
Keywords | 一酸化窒素 / NADPH-d / 三叉神経知覚核 / 孤側核 / 味覚 / 胎生期 / 舌神経 / ラット |
Research Abstract |
ラット脳内で一酸化窒素(NO)を産生すると思われるニューロンを、NADPH-diaphorase(NADPH-d)の組織化学法や、一酸化窒素合成酵素に対する特異的な抗体を用いた免疫組織化学法で標識した。三叉神経脊髄路核の吻側亜核背内側部に散在性の、孤側核吻外側部に密な陽性ニューロン群を発見した。陽性ニューロンの存在域から推定し、このニューロン群が口腔内からの感覚情報を受容し、顎口腔の反射運動形成に関与すると考えた。事実、舌内の味蕾を支配し味覚情報を伝達する鼓索神経切断後、一週間から二週間にかけその陽性細胞数が減少し、四週間目に対照側レベルに戻った。 舌神経(三叉神経要素)、下歯槽神経、鼓索神経、頤神経の末梢枝にWGA-HRPを注入し、それぞれの中枢内終末枝を標識すると同時にNADPH-dを二重標識した。NADPH-d陽性ニューロンの存在域と中枢内投射領域が最も重なった感覚末梢神経は舌神経であったが、鼓索神経とは重なりが少なかった。 胎生期から出産後、成熟するまでNADPH-d陽性ニューロンの出現を観察し、上記陽性ニューロン群が他の陽性ニューロン群に先んじて胎生期15日目に出現し、既に胎生期中に成熟ラットと同様の形態を備えることを見い出した。 以上の結果より、NOは脳内で口腔内特に舌の一般体性知覚の感覚受容や反射運動の形成に重要な役割を演じ、胎生期中からその機能に深く関わっていると考えられる。
|
Research Products
(1 results)