1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671838
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
吉江 紀夫 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (30095278)
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Keywords | 味刺激 / 味蕾 / 味細胞 / 有芯小胞 / 開口分泌 / 味神経 / シナプス / モルモット |
Research Abstract |
平成6年度に引き続いて、モルモットの舌に、蔗糖(甘味)、塩化ナトリウム(塩味)、クエン酸(酸味)、塩酸キニ-ネ(苦味)、グルタミン酸ナトリウム(うま味)の5基本味をそれぞれ作用させて味覚刺激し、有郭乳頭に存在する味蕾を以下の2点の解明に重点を置いて電子顕微鏡により検索をおこなった。 1.味刺激に応答する味細胞の定量解析 それぞれの基本味に応答してシナプスに開口分泌が見られた味細胞の割合は、以下のとおりであった。なお、( )内に応答した味細胞数と観察した全味細胞数を示す。甘味:12.9%(4/31)、塩味:25.7%(9/35)、酸味:26.8%(11/41)、苦味:37.5%(15/40)、うま味:27.0%(10/37)。以上の結果より、苦味に反応する味細胞の出現頻度が最も高く、逆に甘味に最も少ない味細胞が応答した。このことからモルモットの有郭乳頭の味蕾は、苦味に感受性が高く、甘味には低い感受性を有することが推測される。また、各基本味に反応する細胞は全体で100%を超えた。これは、味細胞の中には複数の基本味に応答するものがあったことを示していると考えられる。 2.神経と味細胞における相互関係の三次元解析 立体構築を試みた味細胞10個のうち8個は、複数の神経をシナプスをつくり、多いものでは一つの味細胞に10本の神経が分布していた。それぞれの神経は、膨隆を繰り返しながら味細胞に沿って上行し、シナプスはこの膨隆部に一致して存在した。すなわち、個々の神経もまた何ケ所かでシナプスをつくっていた。これらのシナプスは、味細胞の核のレベルかそれより基底側に集中して見られた。多くの神経はシナプスをつくった後さらに上方(頂端方向)に向かうが、中には脇にそれるものも見られた。この所見から、味細胞は複数の神経とシナプスをつくることが確認され、両者の関係は決して1対1ではないことが明らかになった。このことは、一個の味細胞が受容した味覚情報はいくつかの神経に分散して伝達されることを示す。
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Research Products
(1 results)