1994 Fiscal Year Annual Research Report
クリプトコックス・ネオフォルマンスの菌体外プロテアーゼに関する研究
Project/Area Number |
06671839
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
青木 茂治 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (20095045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 健二郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (00227894)
久和 彰江 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (40095063)
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Keywords | クリプトコックス・ネオフォルマンス / 菌体外プロテアーゼ |
Research Abstract |
エイズ患者から分離した病原性真菌Cryptococcus neoformansの菌体外プロテアーゼ産生について,平成6年度に次の結果を得た. C.neoformansはC.neoformans var.neoformans(血清型A,D)とC.neoformans var.gattii(B,C)の2変種からなるが,実験に使用した8株のすべては生理学的性状試験から,C.neoformans var.neoformansと同定された.特異抗体による凝集反応で血清型を調べた結果,8株中7株はD型であり,残り1株がA型であった. Yeast carbon base(YCB)に0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)のみを加えた寒天培地(YCB-BSA)と,さらに0.01%polypepton(Pp)を加えた寒天培地(YCB-BSA-Pp)でプロテアーゼ産生を調べ結果,後者の培地での産生が強かった.次にプロテアーゼ産生が強い株を上記の組成の液体培地で培養した.YCB-BSA-Pp培養の細胞収量はYCB-BSA培養の約20倍であった.この時,YCB-BSA培養では培地に加えたBSAは分解されなかったのに対し,YCB-BSA-Pp培養では対数増殖期から分解され始めることが,ゲル電気泳動および蛋白定量から明らかになった.この分解に対応して,対数増殖期から培養上清にはプロテアーゼ活性が検出された.しかし,培地上清のゲル電気泳動ではプロテアーゼ本体はバンドとしては検出されなかった.これらの結果から,従来は菌体外プロテアーゼ非産生菌種とされていたC.neoformansもプロテアーゼを産生することが明らかになった. 現在は培養上清からプロテアーゼを分画,単離する段階にあり,来年度には精製した酵素の性状を明らかにしたい.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Ito-Kuwa et al.: "Serotyping of Cryprococcus neoformans isolated from AIDS patients." Odontology. 82. 360-364 (1994)
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[Publications] S Aoki.et al.: "Extracellular proteolytic activity of Cryptococcus neoformans." Mycopathologia. (3月掲載予定).