1994 Fiscal Year Annual Research Report
石灰化組織のハイドロキシアパタイト結合タンパク質のアパタイト結合ドメインの同定
Project/Area Number |
06671845
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
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Keywords | 石灰化 / 細胞外マトリックス / 骨 / 象牙質 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
1.主要な石灰化組織酸性基質タンパク質のハイドロキシアパタイト結合ドメインの同定 骨の主要な酸性基質タンパク質であるオステオネクチンに関してハイドロキシアパタイト結合部位の検索をおこなった。オステオネクチンを、ハイドロキシアパタイトに吸着させたまま、プロテアーゼ消化をおこない、電気泳動およびクロマトグラフィーで分析した。その結果、ドメインIおよびIIを含むフラグメントが吸着されたまま残った。ドメインIにはグルタミン酸に富むカルシウム結合部位が存在するので、従来から想像されている通り、このドメインがハイドロキシアパタイト結合部位を含むと考えられる。 2.酸性基質タンパク質のハイドロキシアパタイト結晶上での結合状態の観察。象牙質に特有のリンタンパク質であるフォスフォフォリンをハイドロキシアパタイトに結合させ、プロテアーゼ消化をおこなって、それに対する感受性から立体構造を推定した。フォスフォフォリンは、多量に存在するリン酸基のために、遊離の状態ではプロテアーゼに対して抵抗性を示す。ハイドロキシアパタイトに吸着した状態ではプロテアーゼに対して感受性を示すようになった。このことは、フォスフォフォリンは、溶液中では折れたたまれた構造をとっているが、アパタイトの表面上では伸びた構造をとって、プロテアーゼ感受性部位が露出していることを示している。これに対して、オステオネクチンの場合はアパタイトとの結合によって、逆にプロテアーゼに対する抵抗性が増加した。
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[Publications] Fujisawa,R.,Zhou,H.Y,et al.: "In vitro and in vivo association of dentin phosphophoryn with α1CB6 peptide of type I collagen." Connective Tissue Research. 31. 1-10 (1994)
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[Publications] Fujisawa,R.,Nodasaka,Y.,Kuboki,Y.: "Further characterization of interaction between bone sialoprotein(BSP) and collagen." Calcified Tissue International. (in press).
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[Publications] Fujisawa,R.,Kuboki,Y: "Proteolytic analysis of dentin and bone acidic proteins adsorbed on hydroxyapatite crystals." Bulletin de l′Institut oceanographique,Monaco. (in press).
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[Publications] 藤沢隆一: "硬組織研究の基礎技術" 学際企画, 8 (1994)